元証券マンが「あれっ」と思ったこと

元証券マンが「あれっ」と思ったことをたまに書きます。

あれっ、日立とホンダ傘下の自動車部品メーカー4社が統合?


【 日立とホンダ:傘下の自動車部品メーカー4社を統合 】


  2019/10/30、本田技研工業(7267)他が、「日立オートモティブシステムズ株式会社、株式会社ケーヒン、 株式会社ショーワ及び日信工業株式会社の経営統合に関するお知らせ」を発表した。
https://www.honda.co.jp/content/dam/site/www/investors/cq_img/library/filings/CY2019_20191030_TSEfiling_1_j.pdf

 1はその背景・目的(上記プレスリリースより)、2は全体概要(日経電子版より)。


1.本統合の背景及び目的
・現在、自動車・二輪車業界では100年に一度と言われる大変革時代に直面

環境負荷の軽減や交通事故削減、快適性のさらなる向上等が求められる中、今後の自動車・ 二輪車システムの中核である電動化や自動運転、コネクテッドカー等の分野において、競 争が激化

・こうした中、サプライヤーにおいても製品の枠組みを超え、ソフトウェアを組み合わせた包括的なソリューションの提供が求められている

・本吸収合併後の存続会社は、連結売上収益 1.7 兆円規模となる自動車・二輪車システムにおけるグローバルメガサプライヤーとなる

・これにより、ケーヒンのパワートレイン事業、ショーワのサスペンション事業及びステア リング事業、日信工業のブレーキシステム事業におけるそれぞれの優位な技術と、日立オートモティブシステムズが有するパワートレインシステム、シャシーシステム、安全システムの3つのコア事業の強みを組み合わせることで、競争力のある技術・ソリューションを確立するとともに、スケールメリットを生かし世界中のお客様へ提供していく

・具体的には、電動化製品を通じたCO2排出量削減による地球温暖化防止や、自動運転や 先進運転支援システムによる交通事故ゼロ社会実現に向けて貢献するとともに、6社の車両制御技術を結集することでストレスフリーな移動体験を提供する

・また、日立製作所はLumada(注)ソリューション等のデジタル技術により、特にコネクテッドの領域において、本統合会社が安全性やモビリティサービスの向上に貢献することをサポートする

・これにより、本統合会社は安全で快適な社会の実現と、人々の移動する喜びの拡大をめざすとともに、自動車・二輪車業界の発展に貢献していく

(注)Lumada(ルマーダ): お客さまのデータから価値を創出し、デジタルイノベーションを加速するための、日立の先進的なデジタル技術を活用したソリュー ション・サービス・テクノロジーの総称


2.日立・ホンダ、車部品4社統合
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51606630Q9A031C1EA2000/

(1)概要
日立製作所とホンダは30日、傘下の自動車部品メーカー4社を統合し新会社を設立すると発表

・売上高ではトヨタ自動車系のデンソーアイシン精機に次ぐ国内3位に浮上

・世界の自動車・車部品各社は、自動運転などの次世代技術「CASE」の対応を迫られている

・研究開発費に回す資金力に乏しい中堅メーカーは規模拡大を迫られ、系列解体が一段と加速

(2)統合方法
・まずホンダが自ら筆頭株主であるケーヒン、ショーワ、日信工業の3社にTOB(株式公開買い付け)を実施し完全子会社化

・その後、日立完全子会社の日立オートモティブシステムズがホンダ系3社を吸収合併

TOBが成功した場合、新会社への出資比率は日立が66.6%、ホンダが33.4%に

TOBの開始・完了時期や新会社の社名は未定だが、発足は1年後の見込み


<感想>
 本件は、業界を超えた、日立とホンダの自動車部品メーカー4社の統合案件。新会社への出資比率は、日立66.6%、ホンダが33.4%。
 今後も斯の種の統合事案は増えて行くに違いない。

----------------------------------------------------------------------
元証券マンが「あれっ」と思ったこと
発行者HPはこちら http://tsuru1.blog.fc2.com/ 
----------------------------------------------------------------------