元証券マンが「あれっ」と思ったこと

元証券マンが「あれっ」と思ったことをたまに書きます。

あれっ、岩波文庫的文庫本?


【 岩波文庫的: 佐藤正午 月の満ち欠け 】 


 友人が編集した直木賞を受賞した佐藤正午著「月の満ち欠け」が「岩波文庫的」文庫本として発売された。
https://tanemaki.iwanami.co.jp/posts/2443 
 以下は、上記HPより。

『 さらに多くの読者にお届けしようと特別仕様の文庫にいたします。小社にとって特別な作品です。
 「岩波文庫」への収録も検討しましたが、長い時間の評価に堪えた古典を収録する叢書に、このみずみずしい作品を収録するのは尚早と考え、でも気持ちは岩波文庫という著者のちょっとしたいたずら心もあり、「岩波文庫的」文庫になりました。』


  2年振りに「月の満ち欠け」を読んでみた。以下は8の章からの抜粋。

「神様がね、この世に誕生した最初の男女に、二種類の死に方を選ばせたの。ひとつは樹木のように、死んで種子を残す。自分は死んでも、子孫を残す道。もうひとつは、月のように、死んでも何回も生まれ変わる道。そういう伝説がある。死の起源をめぐる有名な伝説。知らない?」
「誰に教わったんです」
「何かの本に書いてあるって、いつか見た映画の中で、誰かが喋ってた。人間の祖先は、樹木のような死を選び取ってしまったんだね。でも、もしあたしに選択権があるなら、月のように死ぬほうを選ぶよ」
「月が満ちて欠けるように」
「そう、月の満ち欠けのように、生と死を繰り返す。そして未練のあるアキヒコくんの前に現れる」
「怖いですよ」
「怖くても知らない、何回でも現れて誘惑する。冷淡にされた恨みも晴らさなければ」
「・・・まだ冷淡にはしてないのに」


(ご参考)担当編集者たちが語る「佐藤正午
https://tanemaki.iwanami.co.jp/posts/450 


<感想>
 正木瑠璃、小山内瑠璃、小沼希美、緑坂るりへと続く前世の記憶。
 自分は誰を記憶した子どもに会いたいと思うのであろうか。

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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
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