元証券マンが「あれっ」と思ったこと

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あれっ、ココスジャパン株主に対する三角株式交換?


【 ゼンショーHD:ココスジャパン株主に対する三角株式交換 】


 2019/11/7、ゼンショーHD(7550)から、「完全子会社である日本レストランHDによるココスジャパンの完全子会社化に関する株式交換契約締結のお知らせ」が発表された。
https://www.zensho.co.jp/jp/ir/ir_news/resource/pdf/19.11.7.zhd1.pdf

 以下はその概要。


1.目的
< ゼンショーHD >
グループ経営理念:「世界から飢餓と貧困を撲滅する」

1982年 ゼンショー(現ゼンショーHD)設立
⇒ 郊外型ファミリー牛丼店「すき家」スタート

1997年 店頭登録
1999年 東証二部上場
2001年 東証一部上場

2000年〜 既存業態の出店に加えM&Aを活用2011年 よりグローバルな事業展開のために持株会社体制に移行

2019年8月 ジョリーパスタを完全子会社化
2019年9月 日本レストランHDが、ココスジャパン/ジョリーパスタを含むレストラン事業を営むグループ会社に対する統括・支援を効率的に実行する体制を構築するために運営を開始

⇒ グループシナジーの追求と業容の拡大を行う

牛丼チェーンの「すき家
ファミリーレストランの「ココス」
丼ぶり・京風うどんの「なか卯
パスタ専門店の「ジョリーパスタ
100 円寿司チェーンの「はま寿司」等を運営

⇒ 2019年9月末時点:国内外9,724店舗(うちココス582店舗)

< ココスジャパン >
2019年7月上旬 2020 年3月期第1 四半期累計期間に純損失計上見込みを認識

ゼンショーHDの考え
1)ココスジャパン単独での施策に加え、ゼンショーグループとしての早急な対応が必要なこと
2)持続的に成長戦略を実現していくためには、グループの全てのリソースを活用して一体経営を行い、商品開発や店舗開発、またそのための人材投入等の効率的な組織運営を行うことが必須であること
2)レストラン事業については、日本レストランHDに資源を結集することによって、ココスジャパンの業績の改善を図る必要があること

ココスジャパンを、ゼンショーHDの完全子会社である日本レストランHDを通じて完全子会社化することが最善の策であり、ココスジャパン及びゼンショーグループの企業価値向上に資するものとの判断に至る

2019 年7月26日:ゼンショーHDからココスジャパンに対して三角株式交換を申し入れ

< ゼンショーHDの完全子会社である日本レストランHDの完全子会社となることによるメリット >
1)ゼンショーグループ内のスピーディーかつ柔軟な意思決定の下、ココスジャパンの店舗数の少ない西日本を中心としたエリアへの出店

2)地域環境に適したゼンショーグループ内業態転換の円滑な推進

3)ココスジャパンとして、必要な人材の確保・育成、人事交流による組織の活性化

4)工場・ 物流のグループ内共通化の更なる推進による物流費用の削減

5)上場廃止に伴う親子上場に係る潜在的利益相反の可能性の排除による機動的かつ柔軟な経営体制の構築及び株式上場を維持するために必要となる経費の削減

ゼンショーHD/日本レストランHD/ココスジャパンの取締役会において、三角株式交換を行うことについてそれぞれ決議


2.三角株式交換
ココスジャパンの株主には、株式交換の対価として、日本レストランHDの株式ではなく、日本レストランHDの完全親会社であるゼンショーHDの株式を割り当てる


<感想>
 本件は、ゼンショーHDの完全子会社である日本レストランHDによるココスジャパンの完全子会社化に関する、ココスジャパン株主に対してゼンショーHDの株式を割り当てる三角株式交換
 各上場会社のHD化に伴い、今後、斯の種の三角株式交換事案が増えるものと思われる。

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