【 伊坂幸太郎の砂漠 】
四月、働きはじめた僕たちは、「社会」と呼ばれる砂漠の厳しい環境に、予想以上の苦労を強いられる。砂漠はからからに乾いていて、愚痴や嫌味、諦観や嘆息でまみれ、僕たちはそこで毎日必死にもがき、乗り切り、そして、そのうちその場所にも馴染んでいくに違いない。
鳥井たちとは最初のうちこそ、定期的に連絡を取るけれど、だんだんと自分たちの抱える
仕事や生活に手一杯で、次第に音信不通になるだろう。
僕は、遠距離で交際を継続することに疲労を覚え、鳩麦さんと半年もしないうちに別れるかもしれない。そして、さらに数年もすれば、鳥井や西嶋たちと過ごした学生時代を、「なつかしいなあ」「そんなこともあったなあ」と昔に観た映画と同じ程度の感覚で思い返すくらいになり、結局、僕たちはばらばらになる。
なんてことはまるでない、はずだ。
<感想>
本書は、伊坂幸太郎の母校である東北大学のある仙台を舞台とする大学生の物語。
北村と鳩麦、西嶋と東堂、鳥井と南のその後はどうなったのだろうか。
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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
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