元証券マンが「あれっ」と思ったこと

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あれっ、ニチコンがユーロ円CBをローンチ?

ニチコン:ユーロ円CBローンチ 】


 2019/12/5、ニチコン(6996)が、ユーロ円CBをローンチした。
https://www.nichicon.co.jp/ir/pdf/own_shareholders_euro2024_buyingstock_20191205.pdf

 以下はその概要。


1.発行概要
(1)発行金額:120億円
(2)年限:5年

(3)発行価格:103.5%(引受手数料2.5%差引後の払込金額:101.0%)

(4)転換価格:1,687円(12/5終値1,232円の36.93%アップ)

(5)130%転換制限条項
各四半期の最終20連続取引日の終値>転換価額×130% ⇒ 翌四半期に転換可能(最後の四半期は除く)

(6)取得条項(額面現金決済型)
2024/8/23以降、交付現金(社債額面金額)+交付株式((転換価値ー社債額面金額)÷1株当たり平均VWAP)で残存するCBの全部を取得可能

(7)資金使徒:設備投資資金(約87億円)、自己株式取得、長期借入返済等


2.ToSTNeT-3による自己株式の取得結果
https://www.nichicon.co.jp/ir/pdf/own_shareholders_2024_buyingstock_20191206.pdf

(1)自己株式取得を行った理由
ユーロ円CBの発行に伴う当社株式需給への短期的な影響を緩和し、資金調達を円滑に実行するため。 また、株式の希薄化を抑制し、資本効率の向上と経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を図るとともに、1株当たりの株主価値を高め、株主への利益還元を充実させるため。

(2)取得の内容
取得株式総数:1,217,500株
取得価額の総額:約15億円(12/5終値@1,232円)
取得方法:東証の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)


3.株価終値推移
12/5 1,232円、12/6 1,158円、12/9 1,170円
12/10 1,179円、12/11 1,129円


<感想>
 本件CBの主な特徴は、以下の3点。
1.一部(発行金額の12.5%相当額)リキャップ
2.転換抑制型(130%転換制限条項付)
3.希薄化抑制型(取得条項(額面現金決済型)付)

 既存投資家を配慮した設計ではあったが、ローンチ翌日の株価終値は△74円(△7.0%)と軟調に推移した。

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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
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