元証券マンが「あれっ」と思ったこと

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あれっ、ペッパーフードサービスがファシリティ契約付WTをローンチ?


ペッパーフードサービス:ファシリティ契約付WT 】


 2019/12/27、ペッパーフードサービス(3053)が、ファシリティ契約付新株予約権(WT)をローンチした。
https://www.pepper-fs.co.jp/_img/ir/lib/2019/PFS20191227B.pdf

 以下はその概要。


1.WT発行概要
(1) 割当日:2020年1月15日

(2) 発行WT数:52,000個

(3) 発行価額:WT個当たり373円(総額 19,396,000円。12/6終値×0.28%相当額)

(4) 当該発行による潜在株式数:5,200,000株(100株/WT1個。総議決権数に対する希薄化率24.8%)

(5) 第三者割当予定先:SMBC日興証券(「日興」)

(6) 行使価額(の修正条件)
 当初行使価額:1,332円(12/6終値)
 上限行使価額:なし
 下限行使価額:666円(12/6終値×50%)
 行使価額は、WTの各行使請求の効力発生日に、 当該効力発生日の前取引日の東証終日の売買高加重平均価格の92%に相当する金額に修正される(下限行使価額を下回る場合は下限行使価額)

(7) 資金使徒:借入金の返済、設備投資資金、運転資金等

(8) 株券貸借に関する契約:WTの行使を円滑にするために、代表取締役社長CEO一瀬邦夫は、保有当社株式の消費貸借契約を締結し、日興へ貸株を行う予定


2.ファシリティ契約の概要
< 当社による行使停止要請通知(行使停止指定条項) >
日興は、行使可能期間において、当社からの行使停止要請通知があった場合、行使停止期間中、行使停止期間の開始日に残存するWTの全部について行使ができない

(1) 当社は、日興がWTを行使することができない期間として、行使可能期間の間の任意の期間を指定することができる

(2) 当社は、行使停止期間を指定するにあたっては、当該行使停止期間の開始日の3取引日前の日までに、日興に通知を行う

(3) 当社は、日興に対して、当該時点で有効な行使停止要請通知を撤回する旨の通知を行うことにより、行使停止要請通知を撤回することができる


3.株価終値推移
12/26 1,332円、12/27 1,294円、12/30 1,259円(△2.7%)


<感想>
 本件は、ペッパーフードサービスが、いきなりステーキの業績悪化に伴う資本増強のためのエクイティ調達。希薄化率(約25%)の割には、株価の下落率(2.7%)は小さく、市場では概ね好感された模様。
 現状においては、公募ではなく、本件のような第三者割当のMSWT(Moving Strike型WT。8%ディスカウント)の形態が相応しいように思われる。

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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
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