元証券マンが「あれっ」と思ったこと

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あれっ、MBO(非公開化)に至る意思決定?

【 豆蔵HD:MBOによる非公開化 】


 2020/1/30、豆蔵ホールディングス(3756)が、「MBO(マネジメント・バイアウト)の実施及び応募の推奨に関するお知らせ」を発表した。
https://pdf.irpocket.com/C3756/xFFN/rkie/KM01.pdf

 以下は、MBOに至る経緯等。


< 時系列 >
1999年11月 株式会社理想生活として設立
2004年11月 東証マザーズに上場
2013年10月 東証1部に上場
2020年1月  MBOによる非公開化を発表


< 荻原代表取締役会長兼社長 >
2019年6月下旬
1.受託開発・コンサル・派遣のような人員数・受注工数により売上が決まる既存ビジネスで規模の拡大のみを追及すれば、業績はいずれ頭打ちとなり、先端領域で強みを発揮できないこと

2.M&Aを通じた事業拡大の結果、グループ会社間における個社ごとの収益性やエンジニアの技術水準にバラつきがあり、グループ全体での成長可能性を最大限に発揮したパフォーマンスをあげられていないこと

を問題として認識
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1.既存ビジネスに加えて、今後も高成長が見込まれる先端技術領域において、技術力を活かして自社製品を開発し、エンジニアの人員数・受注工数だけに頼らないユーザーの増加により売上が伸びる新たなプロダクトビジネスへの積極的な投資の継続

2.当社グループ間の人事交流や先端的なノウハ ウの共有を促進するような組織を作り、先端技術領域のエンジニアを持続的に育成するために業務体制・教育体制を発展的に再構築

する構想を描くに至った
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しかしながら、短期的には、

1)先端技術教育コストの増大
2)有望分野への配置転換の途上における人員稼働率の低下
3)プロダクトの開発成否、商品の売行きが業績に影響を与え、当社の利益水準やキャッシュ・フローの悪化をもたらすリスクがあり、従来のビジネスとはリスクの内容も一変すること
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上場を維持したままこれらの構想を実行に移せば短期的には市場からの十分な評価を得られずに株価に悪影響を及ぼし、既存株主に不利益を与える可能性がある


2019年7月上旬
当社株式を一旦非公開化することを検討するに至った
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三菱UFJモルガン・スタンレー証券を通じてインテグラルを含む複数社の紹介を受け、順次協議を開始


< インテグラル >
2019年7月中旬
かねてより日本国内の投資先について調査・検討を行っていたインテグラルは、荻原氏と、当社の事業の将来や当社への資本参加の可能性について協議する機会を得た

インテグラルは、その後、独自の調査を通じて、最先端のトレンドに対応する高い技術力を有するIT業界をけん引するエンジニア集団を擁している会社であるという認識に至った

インテグラルとしても、中長期的な視座で、当社の持続的な成長・発展のために荻原氏の構想を実現していくことが 肝要と考え、荻原氏の構想に賛同した

2020/1/30
「豆蔵HD (3756)に対する公開買付けの開始に関するお知らせ」を発表
https://pdf.irpocket.com/C3756/xFFN/rkie/GfYE.pdf


<感想>
 本件は、MBOによる非公開化で、既存ビジネスの進化を目指すもの。
 インテグラルと組んだことで、将来、再上場を含めた出口戦略を改めて検討する必要がある。

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