元証券マンが「あれっ」と思ったこと

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あれっ、ヤマハ発動機が半導体関連の連絡子会社をTOB?

ヤマハ発動機ヤマハモーターロボティクスをTOB


 2020/2/12、ヤマハ発動機(7272)が、ヤマハモーターロボティクスHD(6274)に対する株式公開買付け(TOB)を発表した。
https://global.yamaha-motor.com/jp/news/2020/0212/pdf/ymrh.pdf

 以下はその概要。


1.環境の変化
1)現在、モノのインターネット化とされる IoT(Internet of Things)、人工知能 AI(Artificial Intelligence)、事業に役立つ知見を導出するためのデータ(ビッグデータ)に代表される顧客のビジネスのデジタル化が進んでおり、その投資も従来の業務効率化を主としたものから最新の技術を活用した事業競争力強化を目的としたものにシフトしている

2)また、半導体特有のダウンサイジング化、素材・設計・工法の改良に求められる技術は、高度化・複雑化・多様化が進んでおり、それと同時に、他社との合従連衡、新技術の開発による業界地図の変更も絶え間なく起こっている

⇒ 更なる企業価値向上を見据えたテクノロジー投資は、従来対応してきた技術・商品開発のスピードと投資負担を超える


2.TOBの目的
(1)競争優位性を維持・向上させていくためには、両社が一体となり対象者中期経営計画と構造改革を着実に遂行し、足元の半導体製造装置業界を取り巻く環境変化に柔軟に対応できる体制を 早急に構築することが必要である

(2)対象者を連結子会社化して以降も、対象者が上場会社として独立した事業運営を行っている現状では、

1)商品戦略、技術戦略及び事業戦略の構築を含め、意思決定を行うために時間を要する

2).公開買付者との共同事業運営、特に顧客基盤、 事業・技術基盤、財務基盤の相互活用について制限がかかり、グループ一体となってスピード感をもって推し進めていくことは十分にできていない

と考えている

(3)上記1の高機能化への要求に応えるためには、対象者を完全子会社とすることで、両社の顧客基盤、事業・技術基盤、財務基盤の相互活用についての制限をなくし、グループの技術を融合した先行開発領域の拡大や人材交流を通じた工程を跨いだトータルソリューションの提供力の向上が可能となる体制の早急な構築が必要となってきている


3.TOB概要
(1)TOB価格:750円(2/10終値508円の47.6%プレミアム)

(2)買付予定数の下限:3,404,300株(7.7%)
 現在53.0%所有 ⇒ 議決権の2/3に相当


4.株価終値推移
2/10 508円、2/12 519円
2/13 *619円、2/14 *719円
*ストップ高


<感想>
 本件は、ヤマハ発動機による半導体関連連結子会社の完全子会社化&非公開化目的のTOB案件。
 一体的な経営や成長速度引き上げ目的の斯の種のTOB案件は今後も増えるものと思われる。

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