元証券マンが「あれっ」と思ったこと

元証券マンが「あれっ」と思ったことをたまに書きます。

あれっ、レッグスがCDGをTOB?

【 レッグス:CDG株式をTOB


 2019/12/26、レッグス(4286)が、CDG(2487)株式に対する公開買付け(TOB)の結果を発表した。
https://ssl4.eir-parts.net/doc/4286/tdnet/1780482/00.pdf


< TOBの概要 >
1.買付株式数:2,510,405株(議決権44.4%)
内、藤井代取会長(筆頭株主。77歳)から2,349,790株を取得
(買付予定数の上限:2,543,400株(所有割合:45.0%)

⇒ 持分法適用関連会社化+上場維持


2.TOB価格:1,423円/株

3.藤井会長の取得簿価
< 大量保有報告書上の取得資金 >
自己資金:98,307千円
簿価:41.8円/株
⇒ 売却益:3,344百万円


 以下は、19/11/27のTOB発表時の資料から。
https://ssl4.eir-parts.net/doc/4286/tdnet/1774173/00.pdf


< 近年のマーケティング市場の動向 >
1.企業における販促手法
これまで:消費者に対する直接的な刺激による短期的な売上向上策

これから:商品ブランド価値向上による長期的な消費者との関係性構築に軸足を移す傾向
+ WEB、SNS、IT等のツールを駆使した店頭への効果的な誘引を行う新たな販促手法が急速に普及

2.市場の変化
これまで:棲み分けが機能していた
・販促市場:販促専業会社
・広告宣伝市場:マス広告が可能な大手広告代理店

これから:IT化の急速な進展により、販促市場と広告宣伝市場の業際が崩れるようになってきた

⇒ 販促市場の対応機能強化といった、従来からの市場の括りでの視点では経営課題を捉えることができなくなってきた


< 資本・業務提携を含めた選択肢の検討 >
レッグスの強み:エンタメ・マーケティング+エンタメ物販

CDGの強み:デジタルマーケティング領域で店頭(リアル)とデジタル(ヴァーチャル)を掛け合わせた、顧客のプロモーション活動をワンストップでサポート

⇒ 2019年5月、レッグス・内川社長からCDG・藤井会長に対して、業務提携の可能性を打診


< 株価推移(ザラ場安値~高値) >
     19/11~19/12  20/1~20/2/17
レッグス 1370~1716   1324~1698
CDG    1390~1450  1392~1453


<感想>
 本件は、販売促進(SP)のレッグスによる同業のCDG宛てTOB案件。
 77歳の創業者の出口戦略としてはベストな選択であろうが、CDG社員の心境を聞いてみたいように思う。

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