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あれっ、都立高離れは格差を広げる?

【 都立高離れは格差を広げる 】


 2020/3/26、日経新聞朝刊に、「都立高離れは格差を広げる 藤田百香お茶の水女子大学4年生」の記事が掲載された。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57207240V20C20A3SHE000/?s=4

 以下は、その概要。


1.2020年の入試状況

(1)都立高校入試
・47校が募集定員割れ。現行制度で過去最多を記録

(2) 私立中学の受験
・都内の公立小学校卒業生のほぼ5人に1人が私立中学の受験を選択。中学受験は空前の人気

⇒ 大学受験に有利とされる私立の中高一貫校などに希望者が殺到し、都立高離れに拍車がかかっている構図

⇒ こうした状況は格差の再生産を生む恐れあり


2.都立高離れの歴史:学校群制度

・戦後の受験競争の過熱で都立高も含めて越境入学が広がり、優秀な学生が一部の高校に集中。区市町村間で教育格差が広がった

⇒ 都は1967年から地域の「学校群」単位の入試を実施し、学力が平均になるよう合格者を各高校に振り分けた

⇒ 「学校群制度」は都立高のみが対象で、高学歴を望んで私立高を選ぶ生徒が続出

⇒ 都立高の入試倍率は年々低下し、81年に「学校群制度」は廃止

⇒ 2000年代に石原慎太郎都知事が「都立復権」を掲げ改革に取り組んだが、今も一部を除けば都立高の入試倍率は高くない


3.私立優位のいびつな構造

・近年では公私ともに中高一貫校がもてはやされ、都立高離れという問題は置き去りにされている

・東京をはじめ都市部では私立優位のいびつな形が目立っている

・生徒や保護者が学歴を求める姿勢は根強く、改革は簡単ではない

⇒ 大学入試の見直しなどによる、教育格差の縮小を目指すべきか


<感想>
 本文は、有名大学には都内の中高一貫校の出身者が多く、貧困層が高等教育に進む機会が閉ざされてしまうのではないかとの危機感を抱いたお茶の水女子大学生が書いたもの。
 一部の人気の高い都立高校の有名大学への進学率は問題がないが、その他、ボトムアップのための都立高校の制度改革は必要であるように思われる。

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