元証券マンが「あれっ」と思ったこと

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あれっ、ダム建設中止と九州水害?

【 ダム建設中止:便益とサンク・コストを比較衡量 】


 2020/7/13、現代ビジネスに、高橋洋一さんが、『九州水害で露わになった民主党政権「ダム建設中止」の大きすぎる代償』を掲載した。

 以下は、サンク・コスト論部分の一部抜粋。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/74031?page=2


< サンク・コスト >

1.八ッ場ダム
コストは4600億円、便益は6000億円とされていた。B/C(便益・コスト比)基準でみると、B(便益)/C(コスト)=6000/4000=1.3 と1より大きいので、公共事業として採択された。
ところが、民主党政権まででコスト4600億円のうち3400億円が支出され、残りは1200億円となっていた。サンク・コスト論によれば、コスト1200億円をかければ6000億円の便益があるので、中止は間違いで、工事続行が正しい。


2.川辺川ダム
コストは4000億円、便益は5200億円程度だったと思う。B/C=1.3程度で、公共事業として問題ない。川辺川ダムの場合、コスト4000億円のうち、中止までに2800億円が支出され、残りは1200億円だった。

サンク・コスト論では、コスト1200億円をかければ便益5200億円程度となるので、やはり中止すべきではなく、工事続行が正しかった、となる。


<感想>
 ダム建設等、スタート済の工事を途中で中止する場合は、 1)便益>コスト、2)既支出額を熟慮した上で、判断する必要がある。

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