元証券マンが「あれっ」と思ったこと

元証券マンが「あれっ」と思ったことをたまに書きます。

あれっ、ファンドのTOB回避目的のTOB?

 

【 東京ドーム:OasisTOB回避目的のTOB

 


 2020/11/27、東京ドーム(9681)が、三井不動産によるTOBに関する賛同の意見表明等を発表した。
https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS01950/25dc258b/946f/4ac1/baaf/7edca20110c8/140120201127429289.pdf

 以下はTOBに至る時系列の一部抜粋。

 


【 時系列 】(当社=東京ドーム)

 

2020/1/30 当社株式の全てを1株当たり1,300円(前日1/29終値1,049円の23.93%プレミアム)で買い取る提案を受領(Oasis)

 

同 6月下旬 読売新聞グループ本社からの紹介を受け、当社の非公開化を前提に三井不を長期的な事業パートナーとする、スポーツ・エンターテインメントを核とした街づくりの実現に向けた成長施策の実行を打診(三井不)

 

同 7月下旬 読売新聞グループ本社に対し当社の非公開化を前提とした成長戦略を進めるため、当社の付加価値向上策に係るヒアリングを行う(三井不)

 

同 8月上旬 当社から正式な事業戦略パートナーの選定手続の概要及び初期的な提案書提出の案内を受ける(三井不)

 

同 8月下旬 当社に対して、三井不による当社を完全子会社化する取引の意義及び当社の成長戦略に関する初期的提案を行う(三井不)

 

同 8月下旬〜11月上旬 本取引の実現可能性を精査するためのデューデリジェンスを行い、当社との間で、複数回に亘り、当社の経営課題及び当社の企業価値向上を目的とした中長期的な戦略及び諸施策について協議を行う(三井不)

 

同 10月中旬 スタジアム・アリーナ事業という新規事業への領域拡充によるスポーツ・エンターテインメントの力を活用した街づくりの大きな原動力として、三井不による街づくりの更なる飛躍に繋がると考えるに至る(三井不)

 

同時期 読売新聞グループ本社に対して、本取引完了後に当社株式の20%を譲り受けること及び共同して当社に提案を行うことを打診(三井不)

 

同 11月上旬 本完全子会社化手続による非公開化を経て当社を最終的に連結子会社とすることが必要不可欠であると考え、読売新聞グループ本社にとっても、本取引及び本株式譲渡が双方の企業価値向上に資る取り組みであるとの判断に至る(三井不)

 

同 11月12日 当社に対し、TOB価格を 1,200円としたい旨の提案を行う(三井不)

 

同 11月16日 三井不宛て、TOB価格を1,350円に引き上げることを要請(当社)

 

同 11月18日 11/16終値930円、翌日11/17終値944円と低水準等の要因から、単純にOasisの提案と比較ができない点はあるものの、当社からTOB価格の再検討を要請されたことも含め総合的に勘案し、TOB価格を1,250円(前日11/17の終値944円に対して32.42%のプレミアムを加えた金額であり、Oasisのプレミアム水準を上回る水準感)としたい旨の再提案を行う(三井不)

 

同 11月24日 TOB価格を1,300円としたい旨の最終提案を行う(三井不)

 

同 11月26日 当社から最終提案を受諾する旨の書面を受領(三井不)

 


<感想>
 本件は、最終的出資比率を三井不80%、読売新聞グループ本社20%とする、東京ドーム株式のTOB案件。
 OasisTOB回避目的とも位置付けられるが、斯の種の案件が増えるように思われる。

 

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