元証券マンが「あれっ」と思ったこと

元証券マンが「あれっ」と思ったことをたまに書きます。

あれっ、リアルとデジタルの融合による成長戦略?

 

三越伊勢丹HD:デジタル活用等 】

 


 コロナ禍において、百貨店業界はますます売上不振に苦しんでいる。
 以下は、三越伊勢丹HDのデジタル活用等について。

 


< 百貨店業界 >
 売上高:2000年8.8兆円⇒2010年6.2兆円(▲2.6兆円)⇒2019年5.7兆円(▲0.5兆円)

 


< 三越伊勢丹HD >(単位:百万円)
     2009/3期 2012/3期  2020/3期  2020/9期  2021/3期(予)
売上高  1,426,684 1,239,921 1,119,191  335,701   815,000
経常利益  35,052    38,542    19,771 △17,092   △34,000
当期利益  4,683   58,891  △11,187 △36,786   △45,000

 


< 三越伊勢丹HDのデジタル活用等 >https://pdf.irpocket.com/C3099/aMKh/yIF2/s7UB.pdf) 

 

1.オンライン売上:今期 310 億円の見込み。今の受注体制では間に合わず、投資が要るが、ECに移行することで別のコスト削減ができる

 

2.店舗とオンラインの役割分担:大都市圏にある基幹店と地域店とは分けて考える。大都市圏の店舗:お客さまが実際に商品を手に取って触れるための重要な場。地方店:小さい面積ですべてのMD提供は不可能なため、モノを売る⇒食品・レストラン・カフェ、体験活動などで時間を消費いただく。今後デジタルサロンで、首都圏の商品をお客さまにご案内できる場所を作り、しっかり接客してデジタルでモノを売るという役割に変わっていく

 

3.EC事業の拡大に伴う必要なリソース:かなり従業員が順応してきて、相当レベルが上がってきた。チャット販売のノウハウもかなり順応。外部の方も使ってみたが、商販を知っている人間がECを学んだ方が早い。ただし、デジタルのシステム開発などは我々の知見では足りないため、今年も新たにECのデジタル系開発子会社を新たに作ったが、必要なものは外部のリソースを使ったり、外部を採用。一番中心となるようなECをオペレートしてお客さまと対話していく部分は当社社員を有効活用した方が良いことが分かったので、今はそちらにシフトしている

 

4.冬から来年以降の顧客の消費動向:基本的には我々の上位顧客の消費は非常に活発。宝飾時計やラグジュアリー系の売上はものすごく上がっている。株高もあり 、旅行に行かない分のお金もあり、その辺りの需要は非常に活発。消費意欲は活発だが、シチュエーションがないためなかなか消費につながらない。今までのような結婚式やパーティなどの需要が増えてくれば回復の見込回復の見込みがある。上位顧客についてはこの時期だからといって急にデジタルで買い物を始めたわけではない

 


(ご参考)2020/9期決算説明会質疑応答https://pdf.irpocket.com/C3099/oc0k/wMQy/hj7R.pdf
P20~P24 オンラインとオフラインのシームレス化 

 


<感想>
 店舗(オフライン)の強みとEC(オンライン)を融合したプラットフォームの確立を目指す、三越伊勢丹HD。
 コロナ禍における、リアルとデジタルの融合の成果が試されている。

 

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