元証券マンが「あれっ」と思ったこと

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あれっ、未消化で終わりそうなコロナ交付金?

 

【 未消化で終わりそうなコロナ交付金

 


 2021/8/2、高橋洋一氏が、現代ビジネスに『マスコミが報じない、未消化で終わりそうな「コロナ交付金」のゆくえ またも財政再建主義者の論理が…』を掲載された。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/85786?page=3

 以下は一部抜粋。

 


未消化の交付金はどうなるのか

 

そのような議論よりも、政府においては、医療機関がコロナ患者を受け入れる病床の確保に必要な費用などに充てる「緊急包括支援交付金」1.5兆円の予算措置の未消化など、重要な問題を抱えている。

 

筆者が理想としているコロナ対応は以下のとおりだ。まず、一定期間後(例えば2ヵ月後)の新規感染者数、重症者数を予測する。そこで、現時点の医療キャパシティで、病床数などが対応できるかどうか判断する。

 

もし対応が出来ない場合、まず「供給」対策として、医療資源の増加を試みる。公立医療機関であれば、直接的な予算措置が必要であるし、民間医療機関でも間接的な助成措置が必要であるので、その適否を検討する。

 

供給対策ができないのであれば、「感染」対策として、感染者数の増加を抑制するために、人々の行動規制を考える。この場合も、何ら対策をしないで行動規制だけに依存するのではなく、三密を避けるために諸施策を組み合わせて実施する。

 

以上が基本であるが、感染症の増加はある時点から指数関数的になるので、そうなったら「供給」対策は意味を持たなくなる。その意味で、将来予測が極めて重要だ。

 

しかし、今の政府分科会の対策を見ていると、はじめに将来予測でとんでもない数字を出し、人々の不安を煽り、感染者数の増加を抑制するために、人々の行動規制を「自粛」という形で政府から要請する。その中で、決定的なエビデンスがあると思えない飲食・旅行規制を業者に対する規制の形式により行ってきた。

 

実際、医療機関がコロナ患者を受け入れる病床の確保に必要な費用などに充てる「緊急包括支援交付金」は1.5兆円の予算措置がなされたが、その多くは未消化だ。飲食・旅行規制での業者への代償として、地方自治体の協力金の財源となるはずの「地方創生臨時交付金」は4.5兆円も予算措置がなされたが、これもかなりの部分が未消化になっている。

 


さらに、他の先進国に比べるとそれほどでもないのに、マスコミは新規感染者のみを取り上げ続ける。一方で、医療体制強化の「緊急包括支援交付金」1.5兆円や時短要請協力金の「地方創生臨時交付金」4.5兆円の未消化には触れられていない。

 


財政再建至上主義だと筆者が思うのは、補助金支出には、(1)精算払いと(2)概算払いがある。(1)は各種見積もりをしっかり行ってから支払うので交付までに時間がかかる。(2)はとりあえず支払うのである意味で先渡しも可能だが、事後的にはしっかり精査をする。

 

新型コロナという緊急事態なのにもかかわらず、各種補助金が(1)精算払いになっていたので、かなり驚いた。これは1年も前に指摘されていたはずだが、ようやく今頃になって、(2)での先渡しも検討するとしているが、1年遅れだ。ここにも、財務省的な財政再建至上主義が財務省のみならず各省現場にもはびこっているのではないか。

 


<感想>
 マスコミも、高橋氏の指摘する、新規感染者のみを取り上げ続けるのではなく、医療体制強化の「緊急包括支援交付金」1.5兆円や時短要請協力金の「地方創生臨時交付金」4.5兆円の未消化にも触れるべきであろう。

 

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