元証券マンが「あれっ」と思ったこと

元証券マンが「あれっ」と思ったことをたまに書きます。

あれっ、賃金をコストとして考えず?

 

【 賃上げを阻む理由 】

 


 2021/12/21、朝日新聞DIGITALの(経済気象台)に、「何が賃上げを阻むのか」が掲載された。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S15149439.html

 


与党の新しい賃上げ減税案が示された。減税幅の拡大でより高い賃上げを企業に促すなど、分配重視の岸田首相の意気込みがうかがえる。

 

しかし、その評判は必ずしも芳しくない。安倍政権下でも同様の減税が行われたが賃金は増えなかった、生産性の上昇なしに持続的な賃上げは難しい、そもそも賃金は個々の企業が決めるべき、などの指摘や困惑が聞こえてくる。

 

このような声の根底には、賃金をコストとしてしか捉えていないことがある。だから、企業は賃金抑制で収益を確保しようとする。実際、1990年代末以降の長期低迷の中で、企業はイノベーションによる付加価値創出でなく、非正規雇用の拡大など様々な手立てで賃金を抑え、収益率上昇を図ってきた。それは日本企業にとって成功体験となった。

 

一方、企業を支えるのは人だと皆が言う。従業員こそが、革新的な技術や製品の開発、質の高いサービスの提供を通して、付加価値を生む原動力となることは言うまでもない。彼らの多くは企業の発展を願って努力を積み重ねている。こうした無数の従業員の営為が、かつては日本の企業と経済の発展をもたらしてきた。

 

しかし、賃金をコストとしてのみ捉え、従業員が生み出せたはずの新たな製品やサービスではなく、賃金抑制によって収益拡大を目指す経営者の姿勢は、企業の将来を担うべき若者世代から意欲と期待を奪い、将来不安と諦めを募らせる結果を招いている。換言すれば、人こそが成長の源泉との認識が失われたために、企業の成長力と革新力が劣化し、経済も低迷したのではなかったか。

 

そのような経営者の認識が変わらないと、いつまでたっても賃金は上がらない。(山人)

 


<感想>
臨時特別賞与を含む賃金をコストではなく、従業員へのインセンティブと考える経営者が増えることを望んでいる。

 

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