元証券マンが「あれっ」と思ったこと

元証券マンが「あれっ」と思ったことをたまに書きます。

あれっ、外為特会の含み益50兆円の投入?

 

【 受給ギャップを埋めるための施策 】

 


 2022/10/6、国民民主党の玉木代表が岸田総理大臣の所信表明演説に対し質疑を行った。
https://new-kokumin.jp/news/diet/20221006_1

 

 以下は一部抜粋。

 


(円安メリットを生かした財源捻出)
 緊急経済対策の財源についても提案があります。政府は為替相場への介入の原資として、外国為替資金特別会計、いわゆる外為特会に約1.3兆ドル、日本円にして約180兆円の資産を保有しており、そのほとんどがドル建ての米国債です。

 総理、いま記録的な円安なので、相当の含み益が出ているはずです。機械的に計算しても約37兆円あります。総理、外為特会の円建て含み益は本年1月に比べていくらですか。円安で損をしている個人や事業者がいる一方で、国の特別会計は円安でウハウハです。総理、円安メリットを活かすなら、緊急経済対策の財源として、外為特会の円建ての含み益を充ててはどうですか。

 


2022/10/6 ロイター記事
外為特会保有の外貨資産、経済対策の財源に使うのは適当でない=岸田首相
https://jp.reuters.com/article/japan-kishida-idJPKBN2R10LY

 

岸田首相は外為特会が保有する外貨資産は「外為相場の安定を目的として将来の為替介入などに備えて保有しているもので、財源確保のために外貨を円貨に替えるのは実質的にドル売り・円買いの為替介入そのものとなる」と説明。その上で、主要7カ国(G7)などの国際的な合意で「為替介入は過度な変動や無秩序な動きへの対応のために行われるとされており、この面から適当ではない」と語った。

 


[ 外為特会 ]

1.2022/8/30~2022/9/28の介入額外国為替平衡操作額)
https://www.mof.go.jp/policy/international_policy/reference/feio/data/monthly/20220930.html
 2兆8,382億円

 


2.令和2年度 外国為替資金特別会計財務書類
https://www.mof.go.jp/about_mof/mof_budget/special_account/gaitame/gaitame_zaimu2020.pdf

(令和3年3月31日、単位:百万円)
 外貨預け金 11,531,807
 有価証券 117,876,210
  合計 約129.4兆円(a)÷@104円(注)=約1.24兆ドル

 @145円(現在)×約1.24兆ドル=約179.8兆円(b)

⇒@145円(現在)ー @104円(令和3年3月)=41円の円安

⇒(b)ー(a)=約50兆円


(注)令和3年3月中において適用する基準外国為替相場
https://www.boj.or.jp/about/services/tame/tame_rate/kijun/kiju2103.htm/

アメリカ合衆国通貨1米ドルにつき本邦通貨:104円

 

 

[ 需給ギャップ ] 2022/9/7(日経電子版)
4~6月期の需要不足は年17兆円、小幅改善 内閣府推計
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA077LQ0X00C22A9000000/

 


<感想>
 今こそ、需給ギャップを埋めるための、外為特会(含み益試算:約50兆円)を含めた、早期の積極的な財政政策が望まれる。

 

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