元証券マンが「あれっ」と思ったこと

元証券マンが「あれっ」と思ったことをたまに書きます。

あれっ、今村均大将の戦争総括?

 

今村均大将:愛国心について 】

 


 先日、「今村均 遺稿 随筆 愛国心について」を読んでみた。

 以下は、一部抜粋(その3)。

 


なぜ戦争に敗れたのか

 敗戦の原因は数多くあげられよう。が、軍に関するもので特に反省を要する顕著なものは、次の四つである。

 その一は、軍中央部と各方面最高指揮官の不適正な信念と指導の間違いとである。

 高級者や中央部の幕僚などは、自分は大きな力を持っている者のようなうぬぼれ気分にとらえられ、政界腐敗の刺激なども作用し、邪心によったものではなかったが、いわゆる「乃公出でずんば祖国を如何せん。」という気位を持ちはじめ、満州事変以後は、軍人に示された勅諭の御訓えにそむき、政治的関心を深め、遂には組閣のことにまで容喙し、大東亜戦は英・米の大圧力によって起こった戦争ではあったが、緒戦の成果に酔ってしまい、国力の算定を入念にしないで、「それ行け、それ行け」とばかりに作戦可能の限度を越え、出征軍に対する補給不可能な広遠の地域に軍隊を分散してしまうような戦争指導をやり、陛下の赤子、父老の愛子を戦闘によってではなく、大部を栄養失調で動けないように、または餓死せしめることにしたり、輸送船もろともに海底に沈むものを多からしめてしまった。

 

 その二は、陸海中央部の不一致のことだった。

 

 その三は、高級軍人や中央幕僚中に、日本民族と日本軍の伝統であり、また実にこれが、戦勝獲得上、欠いてはならない要素の一つでもある無辜の民や降伏して来た敵をいつくしむことをもって戦勝を遅からしめるものだという、大まちがいの考えを抱く者をだし、それに中央部や私のような戦場の最高指揮官は、ただ一番乗りの先陣を競わしめるような指導をやったため、民衆をいたわるひまなどはないようにし、遂に全中国人を憤慨させ、収拾のつかない長期戦たらしめ、大東亜戦争にまで拡大してしまう原因を作ってしまった。
 
 その四は、我が外務省と軍部の暗号が、つつぬけに米国に解読されていたことだ。

 


参考)2020/5/8 ドイツ連邦共和国大使館・総領事館
「シュタインマイヤー大統領スピーチ:ナチスからの解放と欧州における第二次世界大戦終戦75周年」
https://japan.diplo.de/ja-ja/themen/willkommen/-/2339710

 


<感想>
 上記は今村均大将なりの戦争の総括であろう。
 そろそろ、日本国としての「大東亜戦争の総括」が必要であるように思われる。

 

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