元証券マンが「あれっ」と思ったこと

元証券マンが「あれっ」と思ったことをたまに書きます。

あれっ、コーポレート・ガバナンスを巡る争い?


フジテック:臨時株主総会

 


 2023/2/24に、フジテックの臨時株主総会が開催される。以下は双方のプレスリリースより一部抜粋。

 


1.オアシス側の主な主張
https://www.businesswire.com/news/home/20221130006027/ja/

 

本年6月のフジテック定時株主総会に関して会社によって取られた一連の行動は、株主が議決権を行使して取締役にその責を問うという根本的な株主の権利を奪ってフジテックは株主を黙らせたというほかなく、同社のガバナンスが深刻な状況にあることを示しています。

 

フジテックの株主である大手機関投資家の少なくとも40社がオアシスの展開した「フジテックを守る」キャンペーンに賛同し、内山高一氏がフジテックを率いたその先には、未来はないことを表明しています。

 

にもかかわらず、社外取締役は内山高一氏の支配を維持しようとしており、その結果、社外取締役の行動は株主の期待に全く沿ってはいません。

 

オアシスは、株主の皆様方が現在の社外取締役を全て解任し、フジテックから独立した、経験豊富な、多様性に富む新たな社外取締役を選任することを求めます。この新たな取締役会により、ガバナンス改革を通じてフジテックが内山家の支配から解放され、すべての利害関係者のために価値が創出できるようになることを希求します。

 


2.フジテックの主な主張
https://www.fujitec.co.jp/common/fjhp/doc/top/document/irnews/8502/%E8%87%A8%E6%99%82%E6%A0%AA%E4%B8%BB%E7%B7%8F%E4%BC%9A%E6%8B%9B%E9%9B%86%E3%81%94%E9%80%9A%E7%9F%A5.pdf

 

株主提案は、以下のとおり修正が繰り返され、社外取締役候補者が短期間に2名も辞退するという異例の事態となっております。
なお、2名の候補者の辞退の理由については株主提案様より、一切、具体的な説明はなされておりません。


このように株主提案の内容は極めて杜撰であり、また社外取締役2名の辞退の理由について一切説明がなされていないことに鑑みれば、株主提案が真摯に当社の企業価値向上を目的として検討されたものとは到底思えません。


別紙略歴の注2において、「責任限定契約を締結する予定であります。」としておりますが、当社は責任限定契約に関する定めを置いておらず、この点に関する定款変更については本臨時株主総会の目的事項とされていないため、同氏らが当社社外取締役に就任した場合であっても、同氏らとの間で責任限定契約は締結できません。

 


【株主提案に係る候補者である浅見明彦氏について】

 

 浅見氏は、浅見氏が以前勤めていたバークレイズ証券株式会社に対し、解雇無効および未払い賃金、割増退職金の支払い等を求める訴訟を提訴しており、当該訴訟によると、バークレイズ証券は、浅見氏について、高額な報酬(平成23年度の報酬は、賞与も含めると2億円を超える額)を付与されていたにもかかわらず、期待された成果を上げられず、降格させた後も、所定労働時間を下回っていたこと、勤務中に空手道場に行くこと、顧客との面談予定もほとんどなく新規顧客を獲得していないこと、社内外の態度が悪いことなど、勤務態度や営業活動が芳しくない等を理由に、浅見氏の解雇は有効である旨主張していました。当該訴訟は和解により終了しておりますが、少なくともバークレイズ証券の主張によれば、浅見氏に対する評価は極めて悪かったことになります。

 

 また、裁判記録によると、浅見氏は別事件として自らが投資したベンチャー企業に対して、当該投資に係る調達資金は、当該ベンチャー企業による詐欺行為に当たるとして、損害賠償請求を求める訴訟を提起しております。浅見氏は、東京大学
財務経営本部への所属とともに、東京大学協創プラットフォーム開発株式会社(東大IPC)というベンチャー投資等を行なっている官民ファンドにおいてパートナーになっているにも関わらず自らの投資先について詐欺行為で提訴していることからすると、投資スキルや投資判断能力を有しているかについて疑義が生じ得るものと考えます。その他、浅見氏が代表取締役を務める株式会社美人製造研究所を当事者とする複数の訴訟が確認されております。


 当社は、浅見氏が社外取締役として当社に貢献することができるとはいえないと判断し、同氏の社外取締役就任に反対いたします。

 


<感想>
 コーポレート・ガバナンスを巡る、オアシス vs フジテックの争いだか、会社側の指摘通り、オアシス側の詰めの甘さが目立つ。
 2月24日の臨総の結果を確認したい。

 

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