元証券マンが「あれっ」と思ったこと

元証券マンが「あれっ」と思ったことをたまに書きます。

あれっ、まだあったSPCの連結外し?

 

【 ENECHANGE:外部調査委員会の調査報告書 】

 


 2024/6/27、ENECHANGE株式会社が「外部調査委員会の調査報告書の公表に関するお知らせ」をリリースした。
https://ssl4.eir-parts.net/doc/4169/tdnet/2467609/00.pdf

 

 以下は一部抜粋。

 


1. 外部調査委員会の調査結果について
 外部調査委員会の調査結果につきましては、別紙の調査報告書をご確認ください。なお、プライバシー、 個人情報及び機密情報保護等の観点から、部分的な非開示措置を施したうえで公表しておりますことをご了承ください。
 外部調査委員会は、約3か月の長期間にわたり、デジタル・フォレンジック調査、関係資料の精査、関係者に対する多数回のヒアリング等の入念な調査を行い、調査報告書を完成させたものと理解しております。
 一方、有限責任あずさ監査法人(「あずさ監査法人」)は、連結の範囲の判定に影響を与えうる重要な事実(1)城口氏の個人貸付が連結の範囲に与える影響、および、2)プットオプションの行使条件に関する出資者への説明内容が連結の範囲に与える影響)に関し、調査報告書の内容を踏まえてもなお、 重要な虚偽表示の原因となる不正があると判断し、そのため「監査における不正リスク対応基準」に従って、監査手続を実施している旨、あずさ監査法人より説明を受けております。
 上記を踏まえまして、当社といたしましては、あずさ監査法人の見解も踏まえつつ、外部調査委員会による事実認定及び再発防止策の提言等を真摯に受け止めたいと考えております。

 

2. 今後の対応について
(1)決算短信および四半期報告書等の訂正等
 当社は、外部調査委員会の調査結果を受けて、公表済みの決算短信の訂正の公表を2024年6月28日までに行う予定でしたが、あずさ監査法人をはじめとした関係者間と協議の結果、本日公表の「2023年12月期有価証券報告書提出遅延及び当社株式の監理銘柄(確認中)の指定の見込みに関するお知らせ」に記載のとおり、 本日現在において、監査手続が完了しておらず、2024年6月28日までに公表できない見込みとなりました。なお、現時点において、2022年12月期有価証券報告書の訂正は予定しておりません。

 

(2)2023年12月期有価証券報告書の提出等
 当社は、2024年4月1日付「2023年12月期有価証券報告書の提出期限延長申請に係る承認のお知らせ」 のとおり、2023年12月期有価証券報告書を 2024年6月28日までに提出する予定でありましたが、あずさ監査法人をはじめとした関係者間と協議の結果、本日公表の「2023年12月期有価証券報告書提出遅延及び当社株式の監理銘柄(確認中)の指定の見込みに関するお知らせ」に記載のとおり、本日現在において、監査手続が完了しておらず、 2024年6月28日までに提出できない見込みとなりました。

 

(3)再発防止策の策定
 当社は、あずさ監査法人の見解も踏まえつつ、外部調査委員会の調査結果を真摯に受け止め、同委員会の再発防止策の提言に沿って再発防止策を策定し実行いたします。 また、具体的な再発防止策につきましては、2024年12月期第1四半期報告書の提出及び第1四半期決算発表後、速やかに策定のうえお知らせいたします。

 


第6 本調査において認められた問題点に係る原因分析

 以下では、これまで詳述した本調査の調査範囲に含まれる事項に係る調査及び検証の結果、すなわち、本件会計処理の前提となる事実関係及び関連する事実関係、本件会計処理の検討過程その他の事項に係る調査において認められた問題点を踏まえ当委員会がそれらの発生原因と評価した事項を述べる。

 

1 EV充電事業の事業リスクに対応し得る態勢の不足

 

2 本件会計処理に関わった経営メンバーにおいて、会計監査人との適切なコミュニケーションが不足しており、また、そのような状況について認識を共通化することができていなかったこと
(1) 本件会計処理に関わった経営メンバーにおいて会計監査人との適切なコミュニケーションが不足していたこと
(2) 経営メンバー相互間の認識ギャップ

 

3 株価の上昇を強く志向する一方でコンプライアンスを軽視した経営トップらの姿勢

 

4 実効性のある内部統制及びガバナンスが構築されず、本件会計処理を 採用するに当たって十分な牽制・監督機能を果たすことができていなかったこと

(1) 城口氏への牽制を及ぼすことができる執行体制の不足
(2) 取締役会の監督機能を発揮する機会の不足
(3) 社内の法務コンプライアンス態勢の脆弱性

 


第7 再発防止に係る提言

 以下では、第 6 に記載した問題点及びその原因分析を踏まえ、当委員会が ENE社において検討されるべきものと思料する再発防止に係る提言を述べる。 当該提言については、第 6 に記載した問題点及び原因分析を踏まえ、以下【再発防止に係る観点】記載の 4 つの観点から行うこととする。

 

【再発防止に係る観点】
1)コンプライアンス意識の向上
2)権限分散による牽制機能の強化
3)取締役会の監督機能の強化
4)法務コンプライアンス及び会計・経理に係る機能の強化、会計監査人との信頼関係の再構築

 


ご参考)前代未聞のエネチェンジ100人監査 あずさの異論
https://financial.nikkei.com/article/DGXZQOTG271X30X20C24A7000000

 


<感想>
問題点の真因は、城口元CEO氏への牽制を及ぼすことができる執行体制の不足にあったものと思われるが、いまだにSPCの連結外しの手法が取られていることに驚いた。

 

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