2024/9/30、石破総裁が、10月27日の衆院選投開票を表明した
https://digital.asahi.com/articles/ASS9Z24TVS9ZUTFK009M.html?iref=comtop_7_02
以下は添付Webサイトからの概要
内閣の衆議院解散権の根拠と制約
https://www.jicl.jp/articles/opinion_20230725.html
憲法69条
「内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、10日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない」
⇒内閣が衆議院の信任を得られなくなったときの対抗措置:内閣が衆議院解散権を行使できる
戦後25回の衆議院解散(~2021年10月14日衆院解散):うち内閣不信任決議案が可決されて衆議院が解散されたのは※4回のみ。それ以外は憲法7条に基づき実施
憲法7条柱書
「天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ」
同条3号 天皇の国事行為として「衆議院を解散すること」を挙げている
⇒天皇は「国政に関する権能を有しない」(憲法4条1項)(天皇の国事行為はすべて形式的・儀礼的行為)ため、内閣の助言と承認による実質的決定が必要。憲法7条に基づく解散は、この内閣の助言と承認を憲法上の根拠としている
⇒すなわち、内閣が政治状況に鑑みて衆議院解散が必要と考えれば、内閣は天皇への助言と承認によって、憲法69条の場合に限定されず衆議院を解散できる
⇒この「7条解散」が実務上常態化しているため、憲法改正による内閣の衆議院解散権制約が主張されている
2 衆議院解散権は「首相」の専権事項か?
天皇への助言と承認は「内閣」により行われるにもかかわらず、衆議院解散権は一般に「首相」の専権事項と言われる。なぜか。
日本国憲法:内閣の職権行使の方法を定めていない
内閣:首相を含めたすべての国務大臣の合議体。内閣の職権行使の方法は憲法附属法たる内閣法によって定められている
内閣法4条1項
「内閣がその職権を行うのは、閣議によるものとする」
⇒内閣の職権行使:合議体たる内閣の会議体である「閣議」によりなされるが、内閣法自体は閣議の構成員や運営方法などについて定めていない
閣議:明治以来の慣行によって運営。閣議における議決方法として全員一致制が採られている(内閣の統一的意思形成を可能とするため)
⇒衆議院解散に関する天皇への助言と承認も「内閣」の職権行使のため、衆議院解散はあくまでも「内閣」という合議体の専権事項である。
憲法68条
「内閣総理大臣は、国務大臣を任命する。但し、その過半数は、国会議員の中から選ばれなければならない」(1項)
「内閣総理大臣は、任意に国務大臣を罷免することができる」(2項)⇒首相は、憲法上、国務大臣の任免権を有している
⇒衆議院解散について、閣議において全員一致が得られないとしても、首相は衆議院解散に反対する国務大臣を罷免し、衆議院解散に賛成する者を新たに国務大臣として任命すれば、閣議における全員一致の賛成を得ることができる(実質的な決定権を有している)
⇒実質的決定権が首相に担保されているのにすぎない=憲法の規定上衆議院解散権は「首相」の専権事項ではない
内閣が衆議院を解散できるのは、
(1)衆議院で内閣の重要案件が否決され又は審議未了になった場合
(2)政界再編等により内閣の性格が基本的に変わった場合
(3)総選挙の争点でなかった新しい重大な政治的課題に対処する場合
(4)内閣が基本政策を根本的に変更する場合
(5)議員の任期満了が接近している場合
などに限られるとされている
※内閣不信任案が可決されての衆議院解散の4つの例:
(1)昭和23年12月23日(対第2次吉田内閣)
(2)昭和28年3月14日(対第4次吉田内閣)
(3)昭和55年5月19日(対第2次大平内閣)
(4)平成5年6月18日(対宮沢内閣)
(2)~(4):解散詔書に「69条により」という文言は挿入されていない
<感想>
石破総裁が野党が嫌がるタイミングでの、憲法7条解散は、自民党にとっては勝利を呼び込める可能性が高いものと思われる
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