以下は、「自衛隊の災害派遣に関する実態調査 -自然災害への対応を中心として- 結果報告書 令和4年3月 総務省行政評価局」からの一部抜粋。
https://www.soumu.go.jp/main_content/000797382.pdf
P2〜P3
自衛隊法第83条第1項及び第2項では、都道府県知事等は、市町村及び都道府県の災害対応能力を活用しても対応できず、人命又は財産の保護のため必要があると認める場合には、部隊等の派遣を防衛大臣又はその指定する者(「防衛大臣等」)に要請できるとされており、この要請に対して、防衛大臣等は、事態やむを得ないと認める場合(注)には、部隊等を救援のため派遣できるとされている。
また、防衛大臣等は、その事態に照らし特に緊急を要し、都道府県知事等からの要請を待ついとまがないと認められる場合には、要請を待たずに部隊等を派遣できるとされている。
(注)防衛省では、「事態やむを得ないと認める場合」に該当するか否かは、三要件( 1)緊急性 (状況からみて差し迫った必要性があること)、2)公共性(公共の秩序を維持する観点において妥当性があること)、3)非代替性(自衛隊の部隊等が派遣される以外に適切な手段がないこと)の観点)を総合的に勘案して判断されるものと説明しており、自衛隊の災害派遣は、緊急的・一時的な支援であるとしている。
ご参考1)災害派遣などのしくみ
http://www.clearing.mod.go.jp/hakusho_data/2006/2006/html/i3251000.html
添付の図参照(全体像が分わかり易い)
ご参考2)自衛隊の主たる任務
https://www.mod.go.jp/pco/hyogo/know/jieitai.html
国の防衛:我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、侵略に対し我が国を防衛します。
従たる任務:災害派遣、国際協力
ご参考3)大雨被害の静岡県から自衛隊への災害派遣要請が遅れた「いくつかの理由」
https://news.radiko.jp/article/station/LFR/76335/
静岡県から自衛隊への災害派遣要請が遅れる ~当初は限定された地域で見通しが甘かった
山間部が多く本来は災害への対応が早い静岡 ~静岡市長と管轄知事のコミュニケーション不足も原因か
<感想>
自衛隊の主たる任務は国の防衛のため、従たる任務の災害派遣については、基本的に知事の要請を受けて、3要件(緊急性、公共性、非代替性)を満たしたやむを得ない場合に限り、派遣可能とされている。
今般の大雨被害において、静岡県から自衛隊への災害派遣要請が遅れた最大の理由は、BCP(事業継続計画)が不十分だったことだったと思われる。
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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
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