元証券マンが「あれっ」と思ったこと

元証券マンが「あれっ」と思ったことをたまに書きます。

あれっ、テレビドラマも捨てたものじゃない?

 

【 VIVANT:テレビドラマの可能性 】

 


 2024/1/2、「VIVANT」(再放送)の最終回を観た。

 

 以下は、「VIVANT」の監督・福澤克雄氏インタビュー「作り手が"恐怖"を感じるものにヒットの可能性がある」からの一部抜粋。
https://dime.jp/genre/1712717/

 

福澤克雄:原作脚本監督、福澤諭吉の玄孫

 


 ──このドラマを今、作ろうと思ったのはなぜですか?

「定年間近だし、とにかく思い切ってやろうかなと。それとね、日本のエンターテインメント業界を見た時に、やっぱり会社で人材をちゃんと育てるべきだと思いました。
 ドラマって一歩間違えたら大赤字になる。雨が続くとか、俳優さんのケガとか。そのうえ社員ばかり使うとすぐ赤字。だから、支払額が決まっている制作会社に投げたくなる。TBSには石井ふく子さんの時代からずっと作ってきたテレビドラマのノウハウがある。でもね、制作会社に任せすぎるとそれが消えてしまう。そこだけは残さなきゃダメだと思った。それに今、テレビもネットや配信に押されて、新しい一歩を踏み出さなきゃいけないと思ったわけです」

 


 ──今回、宣伝の際に情報を出さなかった。その戦略に込めたのは?

「役名を出しただけで内容がバレそうだったから。ノゴーン・ベキとか、乃木卓なんか出た瞬間、何だこれってなるでしょ。"別班"という言葉も出したくなかった。だからネットでいくら調べても内容がわからない。それで『見るしかない』っていう状況を作った。そっちのほうが楽しんでもらえるんじゃないかって。

 僕が感じてるのは、今の若い人は『見たい』んじゃなくて、『知りたい』んだろうなと。わかんないことはすぐネットで調べるでしょ。でも、それでもわからないから『見てみよう』と思ってくれればいいなって」

 


 ──今回のドラマでは原作に初挑戦しました。きっかけは?

「"別班"という言葉をラジオで聞いて、ドラマにしたいなと思った。どうやったらおもしろくなるか、興味を持ってもらえるか考えて、3人の脚本家と何度もやりとりして仕上げていった。今回は新しい脚本家を育てるという狙いもありました」


 独自の理論でドラマをヒットさせ続けている福澤監督。一番大事なのは仕掛けではないという。

 

「やっぱり恐怖心ですよ、恐怖心。半沢直樹シリーズの時にわかったのは、作っているほうが、どうなのかなと恐怖心を持つのが大事だということ。あの時、上司には反対され、絶対当たらないって言われた。僕自身、不安だった。でも、最後はもういいやって(笑)。見たい人が見てくれればいいやって思った。作り手がヒットするかわからないというのは、前例がないってこと。そういうものを出さないと、視聴者は満足してくれない」

 

 恐怖心を覚えながら作るしかない。その心構えがあってこそのヒットだ。

 


< その他 >
別班に関する国会質問

https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a185106.htm

 

平成二十五年十二月二日提出
質問第一〇六号
陸上幕僚監部運用支援・情報部別班(別班)に関する質問主意書

              提出者  鈴木貴子

陸上幕僚監部運用支援・情報部別班(別班)に関する質問主意書

 

 本年十一月二十七日二十時十六分付インターネット記事の中で、共同通信が以下のように報じている。

 

 「陸上自衛隊の秘密情報部隊『陸上幕僚監部運用支援・情報部別班』(別班)が、冷戦時代から首相や防衛相(防衛庁長官)に知らせず、独断でロシア、中国、韓国、東欧などに拠点を設け、身分を偽装した自衛官に情報活動をさせてきたことが二十七日、分かった。
 陸上幕僚長経験者、防衛省情報本部長経験者ら複数の関係者が共同通信の取材に証言した。
 自衛隊最高指揮官の首相や防衛相の指揮、監督を受けず、国会のチェックもなく武力組織である自衛隊が海外で活動するのは、文民統制シビリアンコントロール)を逸脱する。」

 

 右報道にある「陸上幕僚監部運用支援・情報部別班」(以下「別班」)を踏まえ、質問する。

以下略

 


別班に関する国会答弁書
https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b185106.htm

 

内閣衆質一八五第一〇六号
平成二十五年十二月十日
          内閣総理大臣 安倍晋三

衆議院議長 伊吹文明 殿

 

衆議院議員鈴木貴子君提出陸上幕僚監部運用支援・情報部別班(別班)に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

衆議院議員鈴木貴子君提出陸上幕僚監部運用支援・情報部別班(別班)に関する質問に対する答弁書

 

一から十四までについて
 政府として、個々の報道について答弁することは差し控えたいが、御指摘の報道にあるような「陸上幕僚監部運用支援・情報部別班」なる組織については、防衛大臣が、御指摘の答弁を行う前に、陸上幕僚長から口頭で報告を受け、さらに、御指摘の答弁の後にも、陸上幕僚長陸上幕僚監部運用支援・情報部長等への聞き取りを行わせてその内容を口頭で報告させたところ、これまで自衛隊に存在したことはなく、現在も存在していないことが確認されており、現時点においてこれ以上の調査を行うことは考えていない。

 


<感想>
約10年前の国会答弁書で存在を否定されていた「別班」を主題としたTBSテレビドラマ。『見るしかない』状況を創り出した福澤監督のマーケティング戦略、恐怖心、内容の緻密さ・壮大さに改めて感動した。

 

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