元証券マンが「あれっ」と思ったこと

元証券マンが「あれっ」と思ったことをたまに書きます。

あれっ、円売越額が2年ぶりの高水準?

 

【 対ドルでの海外ヘッジファンドの動向 】

 


 2024/3/9、日経電子版に、「金縛りのミセス・ワタナベ 円安にブレーキ」が掲載された。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD065TW0W4A300C2000000/

 

 以下は、一部抜粋。

 


なぜ円相場の下落は150円台で止まったのか。相場材料が何もなかったわけではない。日米の経済指標はたびたび事前予想と異なる結果を示し、日米の中央銀行からは金融政策運営を巡る強弱様々な発言が飛び交っている。

 

たとえば日銀だけを取り出しても、2月8日に内田真一副総裁がマイナス金利政策の解除後も低金利を維持すると言及した際には円売りが加速。その後、150円台まで円安が進んだ。一方、2月29日の高田創審議委員の講演では、金融政策が正常化に向かうとの見方が強まり、一転して円買いが優勢になった。

 

それでも円相場が150円を挟んでこう着し、ミセス・ワタナベが動くに動けなくなったのは、米国の景気・物価判断や日銀の金融政策判断が最後の難路にさしかかり、強弱双方の材料が発信されていることが影響したからではないか。日米の中央銀行も市場の乱高下を招かないように慎重な政策運営を進めるため、一方向に大きくかじを切るような発言が相次ぐことを自重している可能性を否めない。

 


円売越額、2年ぶりの高水準に

このまま静寂が続くのか。実は、円相場の停滞を破る材料がないわけではない。今年に入って円相場が三たび150円の節目を抜ける原動力になった海外ヘッジファンドの動向だ。みずほ銀行が米商品先物取引委員会(CFTC)のデータから算出したヘッジファンドなどの投機筋による対ドルでの円の売越額は、2月27日時点で110億ドルを超え、22年4月以来、約2年ぶりの水準まで膨らんでいる。

 

これまでヘッジファンドは、日経平均株価の最高値更新で日本株を運用する海外投資家が為替相場の変動リスクを回避(ヘッジ)するための円売り・ドル買いを増やすのに相乗りする形で、多額の円売りを仕掛けてきた。ただ「円売りの持ち高がここまで膨らんでくると、いったんは利益確定の円買いに転じる可能性が高い」(みずほ銀行の唐鎌大輔氏)。

 

円相場が動き出せば、ミセス・ワタナベも勢いを取り戻す。これまで静寂を保っていた分、ヘッジファンドの円買いに対し、逆張りの円売り注文を膨らます展開も予想される。実際、7日には、ヘッジファンドの円買い戻しが主導して大幅な円高に振れる展開になった。

 

日米の金融政策運営や「もしトラ(もしトランプ氏が勝ったら)」シナリオ、中国の景気不安といった不透明材料への思惑も絡み合い、遠からず23年末から24年初めにかけてのように値動きの荒くなる場面が増えそうだ。

 


<感想>
1月中旬から2月末にかけての投機筋による円の対ドル売越額が倍の110億ドル(約2年ぶりの水準)になっているというみずほ銀行のデータによれば、もう少し円の買い戻しが続くような気がする・・・。

 

----------------------------------------------------------------------
元証券マンが「あれっ」と思ったこと
発行者HP http://tsuru1.blog.fc2.com/
Twitter https://mobile.twitter.com/tsuruichipooh
----------------------------------------------------------------------