2020/5/14、昭和産業(2004)による、ボーソー油脂(2608。東証2部)の株式公開買付け(TOB)が発表された。
https://ssl4.eir-parts.net/doc/2608/tdnet/1829677/00.pdf
以下はその概要。
1.TOB価格:1株1080円
2020/5/13の終値740円に対して45.95%
過去1ヶ月間の終値単純平均値に対して41.36%
過去3ヶ月間の同40.81%
過去6ヶ月間の同30.12%
(2020/2/5高値965円の同11.92%)
のプレミアムをそれぞれ加えた価格
2.TOB期間:5月18日〜7月13日(41営業日)
3.買付予定株数:下限987,300株(所有割合:66.67%)に設定
⇒ 下限未満の場合は、買付けを実施しない
4.目的
・完全子会社化 ⇒ 上場廃止
(i)製造体制の統合による生産効率の向上
(ii)両社の商材と販路を活用したクロスセル
(iii)物流・購買コストの削減
(iv)研究開発の知見の相互補完による開発の加速
1)企業信用力や財務基盤の向上
2)一貫した経営体制
⇒ 両社の企業価値にシナジー効果が見込めると判断
5.ボーソー油脂のスタンス
・同日、ボーソー油脂は昭和産によるTOBに賛同の意を表明
6.TOBに至る背景
・2017〜2018年度の2期連続で営業損益段階から赤字となり、2019年度も赤字決算が見込まれており、収支の改善とこれによる安定的な事業継続の確保が急務となった
・生産設備の共有化、商品の共同研究・開発、各種資材の共同調達、販売チャネルの共有化等により収支の改善が期待できることから、戦略的パートナーと資本業務提携を行うことも重要な選択肢の1つとして検討する必要があるとの判断に至り、2018年10月中旬より戦略的パートナー候補の探索を開始し、公開買付者を含む2社を候補とした資本業務提携に係る具体的な検討、協議を進めてきた
<感想>
TOBは、買付け者側からの仕掛けによるものが圧倒的に多い。
新型コロナウイルスの感染拡大による自主再建を断念した東証1部上場のレナウンは、民事再生手続きを選択した。
今後は、本件のような被TOB先からの仕掛けによるTOBが増えるものと思われる。
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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
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