元証券マンが「あれっ」と思ったこと

元証券マンが「あれっ」と思ったことをたまに書きます。

あれっ、裁判を前提とした週刊文春?

 

松本人志週刊文春 vs 吉本興業

 


 2024/1/18、東大在学中に司法試験合格し、アナウンサー、法務部長だった西脇亨輔氏の『松本人志、文春に勝つには「女性との人間関係が必要…人はモノじゃない」 元テレ朝社員の弁護士が指摘』が掲載された。
https://mdpr.jp/news/4153585

 以下は一部抜粋。

 


週刊文春は既に裁判の“最初の山場”に備えている」

名誉毀損裁判での弁護士の闘いは「その前の段階」が、大きなカギを握っている。裁判の最初の山場、それは「その記事は何を書いたものだったのか」(専門用語では「摘示事実」)の認定だ。

 

記事が真実かどうかを議論するためには、最初に「記事の内容は何か」を決めなければならない。裁判ではまず、その記事がどんな事実を伝えたのかを一般読者の理解を基準にして確定する。その後、内容が真実かどうかを判断するという順番になる。この時、名誉毀損を訴える側はできるだけ多くの事実が報道されたと主張し、報道機関側の真実の証明を難しくしようする。一方、報道機関側は報道内容を狭く主張し、真実の証明を簡単にしようとする。そのせめぎ合いが、裁判の「最初の山場」なのだ。

 

記事を一言一句読んでいくと、冒頭に書いた通り、性的行為の「強制」「強要」という単語はほぼ出てこない。松本氏が大声を出したり、シャツを無理やり脱がそうとして女性に「迫り」「女性が恐怖を感じた」などと書かれている。

 

見出しを見ると、初回記事は「ダウンタウン松本人志(60)と恐怖の一夜『俺の子ども産めや!』」として、松本氏個人の行為に焦点を当てていた。だが、第2弾では、性の「上納システム」を見出しにしている。そして、「後輩が松本氏のために女性を集め、松本氏はそれを利用して女性と性的行為をし、その際に女性の真意が尊重されていなかった」などと、仕組みの告発を前面に出している。第3弾の記事では、松本氏が調達して欲しい女性のタイプについて「指示書」を作っていたとも報じている。

 


「裁判での証明を考えて記事を組み立てた可能性が高い」

 

(1)松本氏の接待のため、後輩芸人が詳細は説明せずに女性を高級ホテルに集め、「ゲーム」などによって、松本氏と女性が2人きりになるよう仕向けた。

(2)2人きりになると、松本氏は女性に強く迫って性的行為を行った。

(3)その際に女性は恐怖を感じたり、抵抗したりしており、性的行為に真の合意はなかった。

(4)そうした行為は各地で繰り返され、「システム」のようになっていた。

 

単に松本氏が女性に性的行為を「強要した」という記事内容だったら、松本氏側も「強要なんかしていない」と反論しやすくなる。だが、「女性が逃げ道のない場を後輩がおぜん立てして作り上げ、松本氏がそれを利用して性的行為をした」ことが中心の記事だと、週刊文春側は、飲み会やゲームといった女性を追い詰める「システム」があったこと、その中で松本氏が「性的行為」を迫り、行ったことを証明すればよくなる。

 

2人だけの密室で「強要」があったかどうかよりも、女性が真意を言えない「システム」があったことを主題にする。週刊文春は裁判での証明を考えて記事を組み立てた可能性が高い。私はそう思った。


では、松本氏側が反論するとしたらどうするか。

 

「そもそも飲み会も、ゲームも、性的行為も存在しない」。そう言えれば“強力な反論”になるだろう。

 

「飲み会はあったが、性的行為は合意の上だ」。この反論の場合は松本氏側の証拠集めの1つとして、集まりに参加した他の女性達から、その場の様子について証言を集めようとすることが考えられる。松本氏側の主張に沿う事実が出てくれば、大きな証拠になるかもしれない。

 

ただ、そうした動きをするには「必要になること」がある。それは男性側と女性側に、今でも「きちんとした人間関係」があることだ。女性側へのアプローチが圧力のようになってはいけない。

 

人はモノではないし、性行為は遊びではない。

 

松本氏側がこれまで女性側とどう向き合い、どんな関係を築いていたのか。裁判になった場合の行方は、結局はこの点にかかっているのかもしれない。

(元テレビ朝日法務部長、西脇亨輔弁護士)


< 週刊文春:時系列 >

12月26日「週刊文春 電子版」
https://bunshun.jp/denshiban/articles/b7696?ref=innerLink

《呼び出された複数の女性が告発》ダウンタウン松本人志(60)と恐怖の一夜「俺の子ども産めや!」


12月27日「週刊文春
https://bunshun.jp/articles/-/68103?page=2

《参加女性が続々告発》「全裸の松本人志がいきなりキスしてきて…」「俺の子ども産めや!」1泊30万円の超高級ホテルで行われた「恐怖のゲーム」


1月9日「週刊文春 電子版」
https://bunshun.jp/denshiban/articles/b7746?ref=innerLink

松本人志「SEX上納システム」3人の女性が新証言《恐怖のスイートルームは大阪、福岡でも》 
小沢一敬だけじゃない“女衒役” M-1王者、“接待役”米進出芸人


1月10日週刊文春
https://bunshun.jp/articles/-/68246?page=4#goog_rewarded

《活動休止発表の松本人志》告発者A子さんは「裁判になったら証言台で説明します」 松本 〈とうとう出たね。。。〉に専門家は「まさにセカンドレイプ」 3人の女性が新証言・恐怖のスイートルームは大阪、福岡でも行われていた!


1月17日配信「週刊文春 電子版」
https://bunshun.jp/denshiban/articles/b7803?ref=innerLink

《新証拠入手》6、7人目の告発者が…松本人志「ホテル室内写真」と「女性セレクト指示書」


1月18日「週刊文春
https://bunshun.jp/articles/-/68404?page=1

6、7人目女性の証言 松本人志「SEX上納システム」に新事実「ホテル室内写真」「女性セレクト指示書」を入手 女性のタイプや好みの職業が詳細に記され……

 


<感想>
西脇弁護士の見立て通り、週刊文春側は、既に吉本興業との裁判を見越した上で、記事良を掲載しているものと思われる。今後の裁判の行方に注目してゆきたい。

 

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