元証券マンが「あれっ」と思ったこと

元証券マンが「あれっ」と思ったことをたまに書きます。

あれっ、辞退したのはENEOS?

 

【 ローソンTOB:辞退したのはENEOS

 


 2024/2/15、日経新聞に、「ローソン、幻のENEOS参画 トップ解任で辞退 KDDIと2社に 三菱商事、単独経営に限界」の記事が掲載された。
https://www.nikkei.com/nkd/company/article/?DisplayType=1&ng=DGKKZO78480310U4A210C2TB1000&scode=5020&ba=1

以下は、一部抜粋。

 

 

KDDIによるローソンへのTOB(株式公開買い付け)を巡り、石油元売り最大手のENEOSホールディングス(HD)も参画する方針だったことが、わかった。ENEOSは2023年12月に経営トップが解任されたため辞退し、三菱商事を含めた3社による共同経営は幻に終わった。それでも三菱商事が短期間でKDDIとの共同経営を実現させたのは、単独でのローソン経営に限界があったからだ。

 

「パートナー候補者は2023年12月25日付で本取引(当初案)に関する提案辞退の申し入れを正式に提出した」

 

2月6日、KDDIが開示したTOBに関する資料に異例の文言があった。候補者の企業名は書かれていないが、複数の関係者は「ENEOSの参画はほぼ決まっていた」と指摘する。

 

だが、12月19日にENEOSの社長が解任され、事態が変わる。同社はガソリン需要の縮小でコンビニ事業の参画に意欲をみせていた。給油所と併設など収益てこ入れに魅力を感じていたが、経営トップが不在となり枠組みから離脱した。

 

三菱商事ENEOSが不在で、全体のスキームが壊れるのを恐れた。決断を迫られたKDDIはより手厚い支援ができると考え、株価が下がるリスクを承知で出資額の引き上げに踏み込んだ。

 

1月からのスキームの再構築で、焦点は出資比率だった。どちらが主導権を取るかで交渉に時間がかかる可能性がある。三菱商事KDDIと50%ずつの折半出資を決めた。経営体制などで今後意見が対立する恐れがあるが、短期間での契約成立を優先した。

 


ご参考)2023/12/19 ENEOS「社長等の処分および異動について(代表取締役の異動等)」
https://www.hd.eneos.co.jp/newsrelease/upload_pdf/20231219_01_01.pdf

 

処分および異動の理由
本年 11 月末、当社コンプライアンスホットライン窓口宛てに、当社代表取締役社長 齊藤 猛氏および代表取締役副社長執行役員 谷田部 靖氏ならびに常務執行役員 須永 耕太郎氏 の 3 名が参加した懇親の場において、齊藤氏が酔った状態で同席していた女性に抱きつくという不適切行為があったとの内部通報がありました。

 

当該通報を受け、監査等委員会主導のもと、速やかに外部弁護士による調査を行った結果、通報内容が事実であるものと判断いたしました。

 

当社は、昨年度に発生した当時の代表取締役会長 杉森 務氏による不適切行為を踏まえ、本年 2 月 27 日の当社取締役会で人権尊重・コンプライアンス徹底に関する取り組みの更なる強化・再徹底を決議しております。その一環として、人材デュー・デリジェンスや役員向けハラスメント研修の実施、役員処分手続規則の制定等に取り組んでまいりました。

 

これらの取り組みの陣頭指揮を執るべき立場にある齊藤氏の上述の不適切行為は到底容認しがたく、当社代表取締役社長 社長執行役員として相応しくないものと判断いたしました。なお、同氏に対しては、本年 4 月に導入したクローバック・マルス条項※を適用し、月額報酬・賞与・株式報酬の一部返還・没収を実施することといたしました。また、本件の対応に要した弁護士費用を含む一切の費用については、会社に生じた損害として別途求償いたします。

 

※クローバック・マルス条項:重大なコンプライアンス違反等があった際の懲罰として、必要に応じて報酬諮問委員会の審議を経たうえでの取締役会決議によって役員報酬(原則として最大で 4 事業年度分)の返還請求・没収を実行できる

 


<感想>
ローソンとの共同経営に参画していたことになっていたENEOS。セクハラが会社に与えた影響はとても大きい。

 

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