元証券マンが「あれっ」と思ったこと

元証券マンが「あれっ」と思ったことをたまに書きます。

あれっ、セクシー田中さんの著作者人格権?

 

【 セクシー田中さん:著作者人格権

 


 「セクシー田中さん」に関する「著作者人格権(同一性保持権)」について、Web上で確認してみた。

 


1.2024/2/8 小学館 お知らせ「芦原妃名子先生のご逝去に際して」https://www.shogakukan.co.jp/news/476200

 以下は、一部抜粋。

 

「『セクシー田中さん』の映像化については、芦原先生のご要望を担当グループがドラマ制作サイドに、誠実、忠実に伝え、制作されました。しかしながら、今回のような事態となったことは痛恨の極みです。二度とこうした悲劇を繰り返さないために、現在、調査を進めており、今後、再発防止に努めて参ります。
(略)
私たちが語るまでもないことですが、「著作権」と呼ばれる権利には、「著作財産権」と「著作者人格権」というものがあります。


「著作財産権」が利益を守る権利に対し、「著作者人格権」というのは著者の心を守るための権利です。

 

著者の許可なく改変が行われないよう作品を守るための「同一性保持権」をはじめ、「名誉声望保持権」「氏名表示権」「公表権」「出版権廃絶請求権」「修正増減請求権」があります。これらの全ては契約を結ぶまでもなく、著者の皆様全員が持っている大切な権利、これが「著作者人格権」です。
(略)
二度と原作者がこのような思いをしないためにも、「著作者人格権」という著者が持つ絶対的な権利について周知徹底し、著者の意向は必ず尊重され、意見を言うことは当然のことであるという認識を拡げることこそが、再発防止において核となる部分だと考えています。
(略)
プチコミック編集部が芦原妃名子先生に寄り添い、共にあったと信じてくださったこと、感謝に堪えません。

 

その優しさに甘えず、これまで以上に漫画家の皆様に安心して作品を作っていただくため、私たちは対策を考え続けます。」

 


2.2024/2/15 日本テレビ Press Release『ドラマ「セクシー田中さん」について』https://www.ntv.co.jp/info/pressrelease/docs/20240215.pdf

 以下は、一部抜粋。

 

日本テレビは今回の事態を極めて厳粛に受け止め、これまで独自に社内調査を行っておりましたが、 原作漫画「セクシー田中さん」の出版社であり、ドラマ化にあたって窓口となっていただいた小学館にもご協力いただき、新たに外部有識者の方々にも協力を依頼した上、ドラマ制作部門から独立した社内特別調査チームを設置することにいたしました。 早急に調査を進め、真摯に検証し、全ての原作者、脚本家、番組制作者等の皆様が、より一層安心 して制作に臨める体制の構築に努めてまいります。」

 


3.著作権法(同一性保持権)


第二十条 著作者は、その著作物及びその題号の同一性を保持する権利を有し、その意に反してこれらの変更、切除その他の改変を受けないものとする。

 


ご参考)漫画「セクシー田中さん」の実写ドラマ化を巡る問題から、原著作者の著作権を尊重するテレビ局のガバナンス体制のあるべき姿を考える
https://www.asami-keiei.jp/blog/2024/02/01/11146/
(一部抜粋)

 

1.「セクシー田中さん」の著作権は芦原さんが保有(原著作者)

 

2.小学館は芦原さんとの契約により「セクシー田中さん」の漫画出版権を持つ
 ・「セクシー田中さん」の著作権を管理する委託契約もあったかは不明?

 

3.原著作者である芦原さんが日本テレビに対してドラマ化を許諾する契約(二次的著作物を創作するための翻案など)

 

4.日本テレビ相沢友子氏との脚本制作の請負契約

 


<感想>
芦原さんが一番守りたかったのは、「著作者人格権」の内の「同一性保持権」であろう。
小学館(「出版権」保有)が再発防止のための対策を考えるには限界があるため、日本テレビ(番組制作者)が著作者や脚本家を含めた再発防止策を構築する必要があるものと思われる。

 

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