【 プロジェクトX:時代の挑戦者たち 】
伝説のドキュメンタリー番組が、18年振りに「新プロジェクトX〜挑戦者たち〜」として、復活した。
以下は、添付Webサイト(当初プロジェクトXの舞台裏)からの一部抜粋。
https://dl.ndl.go.jp/view/prepareDownload?itemId=info%3Andljp%2Fpid%2F8225122&contentNo=1
〈キーワードを探せ〉
何事もそうだと思いますが、机上の企画を自信を持って実行に移す場合、その企画の基本的な考え方、つまり「基本コンセプト」がしっかりしていることが不可欠です。 実際の作業が進む途中で壁に突き当った時などに立ち返るのが「基本コンセプト」の確認です。
そして、その企画に参加する誰もが内容を瞬時に理解し迷わないためには、 練りに練ったキーワードをその基本コンセプトに盛り込むことが極めて重要なことだと思います。 『プロジェクトX』の基本コンセプトは、先に記したように、「戦後の日本で、偉業を成し遂げた無名の日本人の群像」。そこに、「自信」と「勇気」、さらに知られざる事実が私たちに訴えかけてくる静かな「感動」をつけ加えました。
「自信」と「勇気」そして「感動」。これをキーワードに『プロジェクトX』はその形を整えていったのです。
〈地上の星の誕生〉
「風の中のすばる 砂の中の銀河 みんな何処へ行った 見送られることもなく...」 いまやすっかり国民の間で親しまれているミリオンセラー曲、中島みゆきさんの 『地上の星』です。
(以下『プロジェクトX』チームをPJと略します。)
何か新しい形の番組を作りたい。そして、制作するからにはヒットさせたい。その気持ちの現れが、中島みゆきさんに狙いをつけたテーマ音楽の作成です。何故、中島みゆきさんだったのか? PJには明確な計算がありました。この番組の主なる視聴層になるであろうと思われる中高年層に最も人気の高い歌手の一人が中島みゆきさんであること。さらに、中島さんが作詞・作曲する曲は必ず当たるという確信です。 PJは中島さんに曲を依頼しますが、そう簡単に事は進みませんでした。番組の基本コンセプトを熱っぽく説明。
しかし、承諾した後は、中島さんは一人籠って曲づくりと取り組んだと聞いています。この間PJでは、ディレクター、カメラ、編集、音響、効果のスタッフが加わりプロジェクトの陣容を整えながら、第一作「巨大台風から日本を守れ」(富士山レーダー物語)の制作が進んでいきます。 通常、番組に音楽を付ける際は、その映像を試写しイメージを膨らませていきます。
しかし第一作の作成まで余り時間がなかったため、『地上の星』が完成し番組のタイトル画像に初めて当てたのは、「富士山レーダー」の編集作業と同じ頃でした。ところが、 番組の作風と『地上の星』がものの見事にフィットしていたのです。番組制作者の熱意と中島さんの比類ない創造力が見事に合体した瞬間です。
〈顧客は何を望んでいるか〉
グループインタビューに参加していた方々は、著名人よりも、ドキュメントに登場している無名の方々のいまの顔が見たい、そして数年経ったいま語ってくれる体験・経験談をもっと聴きたいというのです。
私たち長年番組制作に関わってきた者にとって目からウロコでした。なぜなら、ドキュメントに登場する方々はドキュメントの中で完結すればいい訳で、スタジオまで登場すると重箱になり邪道ではないかと思い込んでいたのです。
しかし、グループインタビューでの声が余りに強いものだったので、放送開始後の数作目から思い切ってスタジオ出演者を当事者たちに切り替えました。ところがこれが何の違和感もないのです。現役時代にフィルムや写真に映し出された真剣勝負の顔と、事を成し遂げ安堵感の漂ういまの顔が一体となって、より深い感動を与えてくれる内容に変身しました。 時代とともに常識は常識でなくなってくることを、改めて自戒した次第です。
<感想>
1)基本コンセプトに加えられた 「自信」「勇気」「感動」、2)当時の当事者による現在のスタジオへの登場、3)中島みゆきの「地上の星」。これら全てを引き継いだ、新プロジェクトXの今後の展開が楽しみだ。
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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
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