元証券マンが「あれっ」と思ったこと

元証券マンが「あれっ」と思ったことをたまに書きます。

あれっ、リピート分析では画像等の破棄が前提?

 

【 カメラ画像 利活用ガイドブック 】(その2)

 


 前日に続き、「カメラ画像 利活用ガイドブック 平成30年3月 ver2.0」から、リピート分析に触れてみたい。
https://www.meti.go.jp/press/2017/03/20180330005/20180330005-1.pdf

 


< 店舗内設置カメラ(リピート分析) >P39

特定空間(店舗等)に設置されたカメラで、入店の時点で画像を取得し特徴量データ(個人識別符号)を抽出し人物属性の推定及び、空間内を人物等が行動する画像を取得し座標値を取得し動線データを生成した後に、速やかに撮影画像を破棄。
特徴量データ(個人識別符号)のみ一定期間保持し、同一人物の2回目以降の入店の判定キーとする。
一定期間中、特徴量データ(個人識別符号)をキーにして、来店履歴、店舗内動線、購買履歴等を紐づけて保存する。一定期間経過後、速やかに特徴量データ(個人識別符号)を破棄するもの。

 


【カメラ画像の取得目的】
・生活者の属性推定、来店履歴や行動履歴(一定期間における来店頻度、店舗内の移動状況や棚前行動)の取得と分析(購買履歴の紐づけも含む)

 

【事業者が実施したいこと】
・主に適用ケース(2)の分析を精緻化して、品揃えや棚割、店舗内レイアウト等の変更をより効率的に実施する

 

【運用実施主体】
・小売事業者(コンビニチェーンやスーパー) 等

 

【生活者へのメリット】
・品揃えの充実やレイアウト変更による、顧客満足度の向上

 

【取得情報】
・各過程において、取得・処理・保存される情報を下図に示す。

※社会的な意義として以下のような記載も想定される。
・購買行動の精緻な把握による商品調達の適正化、廃棄ロス削減によるサステナブルな社会への貢献


1.取得:「個人情報」来店時に撮影される人物画像

2.加工:「個人情報」1)顔を含む全身画像から生成する特微量データ、2)特微量データに紐づく座標値
※特微量データから人物属性の推定を行う

3.保存:「個人データベース等」特微量データに紐づく来店履歴、動線データ、推定属性、購買履歴、推定属性を紐づけ

4.利用:「利用情報」1)店の来店頻度、2)店内での移動・滞留状況、3)人物属性ごとの購買傾向など

 


<感想>
 ここでは、個人識別符号と来店履歴、購買履歴等を紐づけてリピート分析する場合、一定期間経過後に個人識別符号を破棄することが前提になっている。
 事業継続の観点からは、破棄するのではなく、個人情報の取扱いに関する同意を取得した上で、将来的にも活用できる枠組みが有用であるように思われる。

 

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