【 三つの「みる」 】
先日、何年か振りに英語のメールを送信したが、文章作成に苦労した。
以下は、マーク・ピーターセン著「続日本人の英語」(岩波新書)からの一部抜粋。
三つの「みる」
I saw / looked at / watched a movie last night.
たとえば、ゆうべ観た映画は面白かったので、その話をしようと思ったら、最初に
I saw a movie last night. It was great.
と話を始めればよい。これは、たとえば、「先週、面白い本を読んだよ」という意味の、“I read a good book last week.” と同じく、何かを経験した」という意味である。
もし、それと違って、ある映画を教材として使えないかなと思って、ビデオで一応目を通したことなら、その場合
I looked at a movie last night,but I decided not to use it in my class.
と、“look”で表現する。
それに対して、
I watched a movie last night.
というのは、「ゆうべ、時間をどう過ごしたのか」という質問に答えているようなニュアンスがある。
A:What did you do last night ?
B:I really didn’t have anything at all special to do, so I just watched a movie on TV and then went to bed.
大まかに言えば、”seeing”は、目という”道具”でもって、あるものを visual information として頭脳に入れることである。”looking”は、一応注意してみることではあるが、時間の経過をあまり感じない表現である。”watching”はまさに時間の経過して行く間、ものの変化を意識する、「観察」に近いことである。
たとえば、「ちょうどその瞬間、私はドアをみているところだった。」という日本語を英訳すれば、”I was watching / looking at the door just at that time.”と言ってもよいが、前者ならば、誰かが入ってくるのではないかと、じっと意識的にみていたもいう意味になる。それに対して後者の方は、たまたまその瞬間にドアのほうに目を向けてみているところだった、という意味になる。英語としては、この二つは基本的に違う。
<感想>
中学1年生で習った三つの英単語。
この種のニュアンスの違いを学べる機会があればもっと英語を理解できたかと思うと残念だ。
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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
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