【 CO2 46%削減目標:総理の政治的な決断 】
2021/4/26、高橋洋一氏が、現代ビジネスに『小泉環境大臣がCO2削減目標でまたもや「余計な発言」…当人が「本当は言うべきだったこと」』を掲載された。
以下は一部抜粋。
22日夜から行われたバイデン米国大統領主催の気候変動サミットで、菅義偉首相は「2030年度に温室効果ガスを2013年度から46%削減することを目指します」と表明した。
今回の数値目標について、政府は「総理の政治的な決断」だと説明している。なお、バイデン大統領は、2030年までに二酸化炭素(CO2)排出量を2005年比で50〜52%削減すると表明した。
「環境省によれば、基準となっている13年度の温室効果ガスの総排出量は14億800万トン(CO2換算)。世界で5番目に多い排出国となっているが、あと9年で約半分に削減する方針のようだ。」と書かれている。
直近の2018年では中国28.4%、アメリカ14.7%、EU9.4%、インド6.9%、ロシア4.7%、日本3.2%となっている。
政治抜きに真面目に議論すれば、世界のCO2排出量で28.4%が中国、14.7%がアメリカなので、まずは、この両国の問題だ。日本でやれることはほとんどない。
一例を挙げれば、石炭火力プラントを先進国から途上国への輸出を止めようという動きがある。仮に日本が止めると、中国が輸出してしまう。日本のプラントと中国のプラントを比較すれば、日本のほうがCO2排出は少ないのに中国のプラントではよりCO2ガスが排出されることになる。
国益と世界の利益を考えたら日本のほうがマシであるにもかかわらず、プラント輸出を止めようとするのは馬鹿げている。こうした意見をいうメディアは、中国からの回し者かと思ってしまう。
先進国各国ともに、目標としても再生エネルギーもせいぜい5割程度なので、残りは火力と原子力だ。火力はCO2を回収せざるを得ないので、それほど比率を高めることができない。となると、必然的に原子力がカギを握る。
現状では再生可能エネルギーなどと比較して、原子力は最低限界コストの方法である。高い温室効果ガス削減目標もいいが、それを最小コストで行う方法を否定したらいけない。リアルに考えると、当面既存原発の再稼働、中長期的には小型原発で置き換えという戦略にならざるを得ない。
小泉環境相が言うべきだったのは、「46%の根拠」ではなく、「46%は菅首相の政治的な判断だ」ということだった。そしてその達成のためには、再生可能エネルギーを最優先するのではなく、短期的には原発再稼働、中長期的には小型原子炉での置き換えなど、様々な道があることを示すことでもある。
中国が日本の原子力開発をおそれる理由は、ひとつは、日本が原発依存を高めると中国の日本向け太陽光ビジネスが困るという事情だ。
<感想>
石炭火力プラントのCO2排出量:中国製>日本製⇒中国製の輸出より、日本製の輸出が良いことは自明である。
また、中国の太陽光ビジネスの封じ込めのためにも、再生エネルギーより、小型原子炉への置き換えを含めた、原発再稼働に真摯に向き合うことが必要であるように思われる。
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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
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