元証券マンが「あれっ」と思ったこと

元証券マンが「あれっ」と思ったことをたまに書きます。

あれっ、不都合な真実を握り潰す?

原稿 

 

【 情報士官・小野寺信の孤独な戦い 】

 


 以下は、「消えたヤルタ密約緊急電 情報士官・小野寺信の孤独な戦い」(岡部伸著、新潮選書)からの一部抜粋。

 


 堀(栄三、元大本営情報参謀)が小野寺(信、元ストックホルム駐在陸軍武官)の「ドイツ降伏三ヶ月後にソ連が対日参戦する」という情報を伝えた作戦課の「某」とは誰のことであろうか。

 

 書簡の中で、堀は、台湾沖航空空戦の戦果電報を握り潰した「奥の院」の実力者として、開戦時から作戦課の参謀だった瀬島龍三の名前をあげて、「瀬島氏が私に告白しながら、その後は一切とぼけて語らず」としている。それから四ヶ月後のヤルタ密約での「某」も瀬島であったと考えられるが、堀も瀬島も鬼籍に入っており、確認することはできない。なお、小野寺の遺族によると、百合子夫人が生前、瀬島に「小野寺電報」について問い質したが、「見ていない。知らない」と答えたという。

 

 後に詳述するが、瀬島は元首相、岡田啓介(義理の伯父)や終戦時の鈴木貫太郎内閣の書記官長、迫水久恒(岡田の娘婿)などの係累から、かなり早い段階からソ連を仲介とする終戦工作を知らされ、これに関わっていた可能性が高い。捷一号作戦の担当参謀だったように、国難を救う終戦工作に主導的に関わっていたとすれば、証拠はないが、不都合な真実だった小野寺電報を「奥の院」で握り潰すことも十分ありえただろう。

 


<感想>
国を挙げての「ソ連仲介による終戦工作」に対して、不都合な真実だった「ドイツ降伏3ヶ月後にソ連が対日参戦する」との小野寺電報。
既定路線を守るがために、不都合な真実を握り潰すことがないようにしたい。

 

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