【 日本のかつてのお家芸:官民一体 】
2019/12/6、日経新聞朝刊の大機小機に、「宗旨変えしたノーベル賞学者」の記事が掲載された。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO53022330V01C19A2EN2000/?s=4
以下は、その概要。
(以下は米フォーリン・ポリシー誌による)
< ノーベル賞を受賞した経済学者のポール・クルーグマン氏 >
「自由貿易、グローバル化礼賛」を宗旨変え
⇒ グローバル化が格差拡大という経済・社会的な大変動をもたらすことにこれまで気付かなかった(中国との競争で米国の労働者がかぶる深刻な痛手を過小評価していた)
< リカードの比較生産費説 >
「自由貿易が、関係するどの国にも利益をもたらす」
⇒ 成り立たなくなっている
< グローバル化した世界 >
企業の生産活動が容易に国境を越えていく
⇒ 自由貿易の下での競争に負けた国では国内産業が衰退するようになる
⇒ そのような国の労働者の賃金は下がる
かたや、その国の企業がグローバル化で高収益を上げている
⇒ 大変な格差社会になる。それが米国のケース
⇒ そこで、トランプ大統領が登場して「アメリカ・ファースト」を唱えるようになった
その現実に直面して、米国の主流派の経済学者たちは急に左寄り
⇒ 来年の大統領選挙での支持は、中道のバイデン前副大統領よりも革新派のウォーレン上院議員やサンダース上院議員に流れているという
< 我が国 >
グローバル化で高収益を上げている企業はほとんどなく、貧富の格差はそれほど広がっていない
我が国の成長率は他の西欧先進諸国よりも1%ほども低い。世界の中で負け組に
< 世界 >
トランプ大統領のアメリカ・ファーストと中国の国家資本主義が激しい競争を繰り広げている
いずれも官民一体で、グローバルな勝ち残り競争に一生懸命
< 日本 >
思えば、官民一体は日本のお家芸だった。それで世界の中での勝ち組になっていたのだ。それが、いつの間にか官民一体を忘れてしまった
我が国ももう一度、官民一体に宗旨変えして再起を図るべきだろう。鉄のトライアングルといわれた政官民一体の伝統を取り戻すということである
<感想>
12月3日の米仏首脳会談で、トランプ大統領は、デジタル税の是正を要求した。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO52935430U9A201C1000000/
日本も政官民一体の鉄のトライアングルにより、もう一度、JAPAN as No.1を目指してみる必要があるように思われる。
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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
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