【 スノーデン:日本への警告 】
以下は「スノーデン 日本への警告」(エドワード・スノーデン他、集英社新書)からの一部抜粋。
侵害される権利
スノーデン 犯罪にかかわったという疑いのない人や一切の悪事に関与していない人に関しては、推定無罪の原則が適用されます。つまり、誰の権利も侵害しておらず、誰にも危害を与えていない市民は、国に詮索されない権利を有するということです。
こうした権力が侵害されたのです。それこそが私が目撃したものです。9・11の同時多発テロをきっかけとして、少なくともアメリカにおいて、また多くの英語圏の国家において、監視政策の大転換が起きたのです。罪を犯したという疑いがあるひとだけではなく、あらゆる場所であらゆる人を監視対象とするようになったのです。それが可能になったのは、テクノロジーの進化によって監視が安く、簡単にできるようになったからです。また、恐怖が蔓延する雰囲気の中で、監視に対する政治的な抑制も働きませんでした。
大量監視を制限する動き
スノーデン 合法的な政府はそのような権力を例外的な場合にしか使わないと想定されています。また、権力は本当に使うことが必要な場合に、脅威を軽減させるために必要な範囲でしか使ってはならないと想定されています。政府の目的達成のために最も侵害的でない手法を用いるものと想定されているわけです。
こうした伝統的な考え方が、この10年の間で変わってきました。そうした方向に進んだのはアメリカが最初でした。アメリカが最も技術的に進んでいましたからね。
しかし、アメリカはこのような監視を容易に実施できる環境にあったという点で例外的で、たとえば中国、ロシア、フランス、ドイツは同じようなことをしていないだろうと考えるのは馬鹿げています。実際、フランスにおいては昨年(2015年)、この分野で最もアメリカの先例を真似した大量監視活動を許可する法律が成立しました。他方で、アメリカではこうした活動を制限しようという流れになっています。みなさまに考えていただきたいのは、日本はどうなのかということです。
横田基地という、アメリカと日本の情報機関の橋渡しをする施設で働いた経験から申し上げると、アメリカの情報機関は、常時、日本の情報機関とアメリカにおける情報を交換していますし、日本もしばしばアメリカに対して日本に関する情報を交換しています。政府同士が、潜在的なテロの脅威や軍事上の脅威、敵対的な行動の兆候や警報といった情報を交換することは、正常かつ適切なことです。
<感想>
2020/2/13のPodcastの*バイリンガルニュースで、「CIA暗号泥棒」について会話していたので、スノーデンの本を読んでみた。
* https://bilingualnews.jp/podcast/
日本の監視体制はどうなっているのか。日本のスノーデンにリークして欲しいようにも思う。
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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
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