【 競争力の正体は事業にあり 】
2020/4/1、日経新聞電子版に、『競争力の正体は「事業」にあり 企業経営の針路 』の一橋大学楠木教授の記事が掲載された。
https://www.nikkei.com/article/DGXKZO57454210R30C20A3KE8000/?s=4
以下は、一部抜粋。
ポイント
○長期利益は利害関係者つなぐ経営の王道
○「会社」全体では競争力の実体は分からず
○経営人材の見極めは経営者の最重要業務
顧客価値に対する深い洞察、競争優位の背後にあるシンプルで骨太の論理、競合他社に対する練り上げられた模倣障壁、常識の逆を行く意外性――。「しびれる戦略」というものが確かにある。
企業は3つの場で評価される。競争市場と資本市場と労働市場だ。エレコムやトラスコ中山の稼ぐ力は製品やサービスの競争市場での実力を反映している。古今東西、長期利益は経営の優劣を示す最上の尺度だ。
長期利益を稼いでいれば株価も上がり、結果として資本市場の評価もついてくる。もうかる商売があれば雇用を創れる。相対的に高い給料や労働条件で、労働市場での評価も上がる。真っ当な競争があれば、長期利益は顧客満足の最もシンプルかつ正直な物差しとなる。長期利益はすべてのステークホルダー(利害関係者)をつなぐ経営の王道だ。
競争力の本丸が事業にある以上、オーナーシップは二次的な問題だ。経営危機に陥った東芝は白物家電事業を売却した。中国の美的集団の下で再出発した東芝ライフスタイルは、世界第2位の白物家電企業のバックアップを受け2年で黒字化し、増収増益路線に転換した。雇用の大半と長年培った技術も継承された。会社は事業が載る器にすぎない。大事なのはその事業が最も生きる器かどうかということだ。会社がダメになっても事業が残ればよい。
勝負をする土俵が決まれば、後は事業経営者の力量にかかっている。この10年でグローバル化を急速に進めたファーストリテイリングでは、既に海外事業の利益が国内をしのぐ。その根幹には実質的な創業者の柳井正会長兼社長の戦略構想と経営力があるが、実際に事業を動かし稼ぐのは各地域のユニクロ事業や「GU」などのブランドを率いる事業経営者だ。会社の社長は一人だが、大きな会社であれば社長の下に何人もの事業経営者が必要になる。
<感想>
競争力で一番大切なのは、事業を動かす、経営者の戦略構想と経営力にあるように思われる。
今日のコロナウイルス影響下で、どのような戦略を実行できるのか、正に経営者の力が試されている。
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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
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