元証券マンが「あれっ」と思ったこと

元証券マンが「あれっ」と思ったことをたまに書きます。

あれっ、大戸屋の株主提案が否決?

 

大戸屋HD:株主提案 vs 会社提案 】

 


 2020/6/25、大戸屋ホールディングス(2705)の株主総会で、筆頭株主コロワイド(7616)の株主提案が否決された。

 

 以下は、2020/5/25の「当社定時株主総会に係る株主提案に対する当社取締役会の反対意見に関するお知らせ」より。
https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS00928/3d15f677/765f/4113/8c74/060c7586ac7e/140120200525423029.pdf


< 反対の理由 >
 コロワイドが、当社株式19.1%を保有するにすぎないにもかかわらず、本株主提案を通じた役員選任により、当社取締役を実質的に支配しようとして行われるもの

 

1.会社提案が当社の企業価値及び株主共同の利益向上の観点から最良の選択肢であること


2.本株主提案は、当社の企業価値を毀損し、株主共同の利益に反するおそれが高いこと

 

1)本株主提案には、具体的かつ適切な企業価値向上策は一切示されておらず、かえって、本株主提案記載の施策を実行した場合には当社の企業価値・ブランド価値を毀損するおそれが高いこと

 

2)本株主提案が可決された場合には、コロワイドのみの経済的利益が追求され、株主の皆様の利益が害されることが強く懸念されること

 

3)本株主提案における取締役候補者の独立性・適性には重大な疑義があること

 

ア)社外取締役(重複候補者を除く)の独立性に強い懸念があること

 

イ)取締役候補者として適任とはいえないこと

三森智仁氏は、取締役在任中、経営会議等の社内の重要会議にしばしば無断欠席し、取締役会に出席しても発言しないなど、取締役としての職務を真摯に遂行していたとは到底言い難く、一方的に取締役を辞任したものであり、かかる状況に鑑みれば、 取締役会に有益な提言・助言を頂けるとは到底考えられず、取締役候補者として適任とはいえない。

また、三森智仁氏の選任理由に創業者精神の承継が掲げられているが、故三森久実から後任として指名され、2013年に代表取締役社長に就任した窪田健一をはじめとする当社の現経営陣が、長年にわたり当社の実質創業者である故三森久実の薫陶を受けて当社の経営理念や業務運営に関する知見を蓄積してきたのに対して、三森智仁氏の当社における執務期間が僅か3年程度に過ぎないことや、同氏の取締役在任中の職務執行の状況に照らすと、三森智仁氏を当社取締役に選任することで創業者精神が承継されるものではないと考えている。

 

4)本株主提案者の状況等から、当社が子会社化された場合には経営のリスクが高まると考えられること

 


<感想>
 本件は、2019/10/1に、その時点で第1位/第2位株主だった三森三枝子氏/三森智仁氏保有株式のコロワイド宛て譲渡以降、初めての株主総会に絡むもの。
 三森智仁氏と会社の確執は当面継続するだろうが、コロワイドは今後どう動いて行くのか、大いに気になる。

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