元証券マンが「あれっ」と思ったこと

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あれっ、NTTがドコモを完全子会社化?

【 NTT:TOBでドコモを完全子会社化 】

 


 2020/9/29、NTT(9432)が、NTTドコモ(9437)株式のTOBによる完全子会社化を発表した。
https://www.ntt.co.jp/news2020/2009/pdf/200929bb.pdf

 以下は、その概要。

 


1.NTTドコモの完全子会社化の概要
<公開買付けの概要>

買付け期間:9月30日(水)~11月16日(月)
買付け価格:1株あたり3,900円
買付け予定数:10億9,089万6,056株


2.資金調達と財務方針
◆ 資金調達
1) 本公開買付けはブリッジローンにより資金調達
2) ブリッジローンは順次、国内債、外債、銀行借入などに切替え予定
3) 普通株式の発行は行わない
4) 債権流動化や資産売却も検討

 

◆ 財務方針
1) 本取り組みによりキャッシュフロー創出力の更なる向上をめざす

2) 一時的に高まる有利子負債水準の着実な低減により財務健全性を維持(財務レバレッジの低下)

3) 株主還元方針には変更なし (継続的な増配の実施が基本方針。自己株式取得は機動的に実施)


3.本件取引後の経営体制等
1) 現時点未定だが、NTTドコモを完全子会社化した 上で、NTTコミュニケーションズNTTコムウェアNTTドコモへの移管など、グループ会社との連携強化について検討していく考え

2) NTTデータについては、完全子会社化する考えは ない


4.NTTの中期的な成長・発展に向けて
めざす方向性
1) リモートワールドを考慮した新サービスの展開・提供
2) リソースの集中化とDXの推進
3) 世界規模での研究開発の推進
4) スマートライフ事業など新規事業の強化

⇒ グループ横断でのリソース・アセットの戦略的活用と意思決定の迅速化が不可欠


5.NTTドコモの完全子会社化
【目的】
1) NTTドコモの競争力強化・成長
 NTTドコモは、NTTコミュニケーションズNTTコムウェア等の能力を活用し、新たなサービス・ソリューションおよび6Gを見据えた通信基盤整備を 移動固定融合型で推進し、上位レイヤビジネスまでを含めた総合ICT企業へと進化

2) NTTグループ全体の成長


6.主な取り組み内容
1) 法人営業力の強化
2) サービス創出力の強化
3) コスト競争力の強化
4) 研究開発力の強化


7.取り組みを通じた社会への貢献
1) 産業の国際競争力の強化
2) 社会的課題の解決
3) 安心・安全な通信基盤の確保
4) 情報通信産業の発展と顧客満足度の高いサービスの実現

 


<感想>
 本件は、グループ横断でのリソース・アセットの戦略的活用と意思決定の迅速化によるグループ全体の成長を目指す、NTTのTOBによるドコモの完全子会社化。
 世界規模での発展のためには必要な方向性は理解できるが、4兆円を超える資金負担や、そもそも1998年にドコモを上場させた必要性を含めての検証も必要となろう。

 

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