【 村上RADIO:専業作家になった理由 】
2020/12/20、FM東京で『村上RADIO~マイ・フェイバリットソングズ&リスナーメッセージに答えます~』が放送された。
https://www.tfm.co.jp/murakamiradio/
以下は上記からの一部抜粋。
今日の言葉はジョン・レノンさんです。1960年代の半ば、ビートルズが登場して、その人気が世界を席巻していた頃、新聞記者に「この人気はどれくらい続くと思いますか」と質問されて答えました。
「さあ、どれくらい続くんだろうね? 10年は続くなんて言ったら、バチが当たって、3カ月でショボっちゃうかもね」
でもビートルズの音楽はそれから半世紀以上経った今でもしっかり聴かれています。ポールはまだ現役で歌い続けています。それを知ったらレノンさんはどう思うんでしょうね。
僕は小説家になって最初のうち、店を経営しながら小説を書いていたんです。でも、執筆に集中したくなって、店を売って専業作家になりました。店もけっこう繁盛していたんで、もったいなかったんですけど、どうしてもそうしたかったんです。
でも周りの人はほとんど全員が反対しました。「小説だけで食べていくなんて無理だから、商売は続けてた方がいいよ。人気なんて儚(はかな)いものだからさ」って。でもそれから40年近く、なんとか小説家を続けています。その時もし新聞記者にレノンさんと同じ質問をされたら、どう答えていたでしょうね? 先のことなんて、予測できないです。
でも何はともあれ、僕はもっと真剣に自由に小説が書きたかったんです。それが一番大切なことですよね。
<感想>
もっと真剣に自由に小説が書きたかった、一番大切なことのために、店を売って、退路を断って、専業作家になった村上春樹氏。
どうしてもそうしたかったという強い思いが、40年近く、第一線で活躍し続けられた理由の一つであろう。
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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
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