元証券マンが「あれっ」と思ったこと

元証券マンが「あれっ」と思ったことをたまに書きます。

あれっ、減債基金で予算の水増しが可能?

 

国債整理基金への繰り入れ 】
 


 2021/6/14。高橋洋一さんが、現代ビジネスで「減債基金」に触れていた。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/84136?page=5
 
 以下はその一部抜粋。
 
 
それではなぜ日本では減債基金が存在しているのだろうか。地方は国の国債整理基金があるからというだろう。では国の国債整理基金はなぜあるのか。建前としては、国債の償還を円滑に行うためというだろうが、本音でいえば、国の予算作りのために便利な道具だからだ。
 
まず、国債整理基金への繰入といって、毎年10兆円程度の予算の水増しが可能になる。本来であれば、繰入は不要なので、その分国債発行額を減らせる。少なくとも先進国ではそうだ。また、国債金利はせいぜい0.5%と低水準であるにもかかわらず、予算上の積算金利は市場金利より高く設定し予算の利払費を水増ししている。
 
こうした水増しは、年度途中で補正予算を作るときに財源となる。補正予算の財源になるのであれば、水増しは国民に実害がなくそう目くじらをたてることもないが、必要以上に国債発行額を膨らまして、財政危機を煽るという悪い面が目立っている。
 
総務省は、減債基金金科玉条にして、諸規制によって地方自治体に起債などを統制しようとする。筆者が総務大臣補佐官でいた2007年頃、公募地方債金利を自由化したが、総務省官僚は猛烈な抵抗だった。その理由は市場によるコントロールではなく自分たちが統制したいというもの。
 
もし本当に京都市が財政危機ならば、金利が上がる(価格は下がる)だろうが、そうなっていない。その当時減債基金をなくしたら、地方債は暴落すると総務省官僚はいっていたが、まったく間違っている。
 
そうした総務省官僚の指標による「財政危機」がいかに怪しいか。これは、財務省のいうことがまったく当てにならないのと同じ構造だ。
 
 
<感想>
 国債整理基金への繰り入れを通じて、毎年10兆円程度の予算の水増しが可能で、補正予算の財源となるという。
 国の予算規模に対する10兆円は決して少ない額ではない。企業でこのような水増しがあれば、株主から厳しく指摘されるであろう。
マスコミが取り上げない理由が、この内容を把握していないとすれば嘆かわしい。

 

----------------------------------------------------------------------
元証券マンが「あれっ」と思ったこと
発行者HPはこちら http://tsuru1.blog.fc2.com/
----------------------------------------------------------------------