元証券マンが「あれっ」と思ったこと

元証券マンが「あれっ」と思ったことをたまに書きます。

あれっ、取締役会の方針決定が試される?

 

【 東洋建設:山内ファミリー企業からのTOB提案 】

 


2022/5/20、東洋建設が、「合同会社Vpg及び株式会社KITEからの当社株式の全株式取得の申込みに関する書簡の受領について」を発表した。
https://www.toyo-const.co.jp/wp/wp-content/uploads/2022/05/20220519.pdf

以下は、一部抜粋。

 


当社は、2022年5月18日、当社の筆頭株主であるダブリューケイ・ワン・リミテッド(WK 1 Limited)並びにその共同保有者であるダブリューケイ・ツー・リミテッド(WK 2 Limited)及 びダブリューケイ・スリー・リミテッド(WK 3 Limited)の実質的な出資者であり、山内万丈氏を代表理事とするYamauchi-No.10 Family Office(以下「YFO」といいます。)の日本国内の事業会社である合同会社Vpg(以下「Vpg」といいます。)及び株式会社KITE(以下「KITE」といいます。)から、「東洋建設株式会社株式に対する1株当たり1,000円での公開買付けによる東洋建設株式会社株式の全株式取得の申込み」と題する書簡(以下「本申込書」といいます。) (別紙)を受領いたしましたので、お知らせいたします。

 

当社は、本申込書に記載された提案の内容を精査中ですが、今後、当社の特別委員会との協議やYFO、Vpg及びKITEとの面談等も適宜行った上で、当社取締役会の方針を決定次第速やかに公表いたします。

 


ご参考)2019/6/28 経済産業省「公正なM&Aの在り方に関する指針-企業価値の向上と株主利益の確保に向けて-」
https://www.meti.go.jp/press/2019/06/20190628004/20190628004.html

 

3.4.4 対抗提案を受けた場合の対応

 

実際に対抗提案者が出現した場合には、その対抗提案が具体的かつ実現可能性のある 真摯な買収提案である限り)、対象会社の取締役会や特別委員会としては、当該対抗提案の内容についても真摯に検討する必要があり、合理的な理由なくこれを拒絶すること は適切とはいえない。

 

その上で、対象会社の企業価値の向上により資する買収提案と、一般株主が享受する 利益(買収対価)がより大きな買収提案とは、通常は一致するものと考えられるところ、 例外的にこれらが一致せず)、一般株主が享受する利益がより大きな買収提案が他に存 在する中で、対象会社の企業価値の向上により資すると判断する買収提案に賛同する場合)には、対象会社の取締役会および特別委員会は、その判断の合理性について十分な説明責任を果たすことが望ましい)。

 


<感想>
本件は、前田建設工業によるTOB(@770)の不成立後に、任天堂・山内ファミリー系企業によるTOB(@1000)の提案を受領した旨のプレスリリース。
今後、東洋建設の特別委員会と取締役会がどのような方針を決定するのか、注視したい。

 

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