元証券マンが「あれっ」と思ったこと

元証券マンが「あれっ」と思ったことをたまに書きます。

あれっ、臨総招集による社外取締役の解任?

 

フジテック社外取締役の解任議案 】

 


 2022/12/6、フジテックが「株主による臨時株主総会の招集請求に関するお知らせ」を発表した。
https://www.fujitec.co.jp/common/fjhp/doc/top/document/irnews/8375/20221206_株主による臨時株主総会の招集請求に関するお知らせ.pdf

 

 以下は、オアシスの「臨時株主総会招集請求書」の第1号議案「社外取締役6名の解任の件について」からの解任事由等の一部抜粋。

 


・第75期の定時株主総会で、内山社長の取締役再任提案を突如取り下げて内山氏の再任提案が否決される事態を避け、そればかりか、株主への説明責任を果たしていない内山氏を株主総会の承認を経ないで会長職にそのまま祭り上げ、長年の関連当事者の説明責任を不問にし、内山氏が引き続き経営に関与する仕組みを構築しようとしている

 

2020年7月 オアシスが内山氏による関連当事者取引の調査を要請したが、何ら必要と考えられる措置をとることなく、さらなる不適切な関連当事者取引が行われることを阻止できなかった

 

2021/5/12 フジテックが所有していたドムス元麻布104号室を内山雄介氏(内山高一氏の息子)が代表取締役を務める私的な法人に対して、適正価格と比して大幅な値引きをして売却することを承認する取締役会決議に参加していた

 

フジテックとの間に利害関係のある西村あさひ法律事務所に依頼して、内山氏の疑惑を不問に付すという結論ありきの明らかに偏った調査報告書を提出させたことに関し、当該調査を主導する会議体の一員として重要な役割も担っていた

 

フジテック取締役会の諮問機関である指名・報酬委員会の委員(長)であるにもかかわらず、調査報告書を十分調査せず、2022/5/29に開催された指名・報酬委員会において内山高一氏の再任議案を見直さなかった点に大きな問題がある

 

・社長その他役員の選定プロセスの透明性の欠如及び、サクセッションプランを定めずにいた点も問題

2022/6/23 フジテックは、内山氏を取締役候補者とする定時株主総会に付議予定の議案を関連当事者取引に関する疑惑を受けて撤回したにもかかわらず、定時株主総会直後の取締役会において、株主に対する何らかの説明責任を果たしていない内山氏を株主総会の承認を経ずにすむ会長にそのまま任命することは、株主に対する背信行為というべき

 

2022/6/17 第三者委員会による追加調査においても、「株主により指摘を受けた関連当事者取引その他行為について、法的にも、企業統治上も問題ない」という当初の調査の結論を見直さず、「本取引に対する、株主をはじめとするステークホルダーの皆様の疑念を払拭し、更にご安心いただく」なる目的の追加調査を取締役会の決議に参加して決定し、内山氏に有利な結果が出ることが必然であるような結論ありきの調査や実施させるなどの対応に終始している

 

フジテックが適切な成長戦略を策定するよう監督する義務があったにもかかわらずそれを怠ったこと、経営管理能力及び内部統制の欠如、内部告発者の不十分な保護、同社が他社と比べてESG上劣後している点にも責任を負っている

 

・これらの行為はすべて、コーポレートガバナンス・コードや日本取引所グループの「ハンドブック独立役員の実務」及び経済産業省策定の「社外取締役の在り方に関する実務指針」で定められた社外取締役が担うべきと期待された責務を果たさず、なんらベストプラクティスに合致しないもの

 


<感想>
 オアシスの主張は合理的であるように思われ、臨時株主総会決議の結論が注目される。

 

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