元証券マンが「あれっ」と思ったこと

元証券マンが「あれっ」と思ったことをたまに書きます。

あれっ、「怪物」ラストの『Aqua』は祝福の歌?

 

【 怪物:是枝裕和監督、坂元裕二脚本 】

 


 先日、是枝裕和監督、坂元裕二脚本の「怪物」を観た。


 以下は、添付Webサイト(「倒しようがないから余計に怖い」是枝監督、カンヌ脚本賞「怪物」を語る)からの一部抜粋。
https://www.sankei.com/article/20230602-6V53ACA7GVICLHNVKMQF2D7LBM

 


 本作はもともと東宝のプロデューサー、川村元気と山田兼司が坂元と企画したもので、長いプロットができた段階で、監督として是枝の名前が挙がったという。そのプロットを読み、「大変面白く、ぜひ参加したい」と快諾した。

 

 11歳の少年が担任教師から受けたとされる体罰を巡る物語が、異なる3つの視点から繰り返し描かれる。「最初にプロットを読んだとき、『羅生門』構造だなと思った」と是枝監督。

 

 黒澤明監督の「羅生門」は、平安時代の武士の殺害事件で武士の妻、下手人として捕まった盗賊、殺された武士の霊がそれぞれ食い違った証言をする姿を描く。同作では最後に事件の目撃者が「3人は嘘をついている」として事の真相を語るが、本作には「どこかに事実があるわけではない」。

 


 登場人物たちは、視点によってはモンスターペアレント、事なかれ主義の教師たち、正体の知れない子供たちに見える。

 

 人間関係が希薄になっている現代社会をよく映し出した作品だ。「コロナ禍を経て、より”いま”の話だなと僕は感じながら撮っていた」。自分が理解できない人たちが人ではなく、怪物に見えてくるという。

 

 「怪物なんて実際どこにもいないけれど、そこに怪物を見てしまう。実際に怪物がいて、それを倒す話だと分かりやすいけれど、そうでないから面白いというのがある。これは倒しようがないので、余計に怖いんだと思う」

 


ご参考1)坂本美雨「また泣いちゃう」  是枝裕和監督から「怪物」で父・坂本龍一さんの音楽を選んだ理由を聞いて
https://www.sanspo.com/article/20230613-GF2FDZQJQZGYZALBUNRQKYEJKY

 

仮編の最初から(作品の)最後は『Aqua』だったんですよ。それが自分の中で動かなかったですね。いろんな曲をいろんなシーンにあててみましたけど、『Aqua』だけは動かなかったくらい。あの映画のラストシーンに触れてしまうので難しいんですけど、何かこの歌は祝福している歌だと思いました。

 


ご参考2)映画の中に“怪物探し” 観客を巻き込むしかけ… 「怪物」是枝監督 単独インタビュー
https://www.fnn.jp/articles/-/537831?display=full

 

坂本龍一さんの音楽と不思議な共振

まだ仮編集でしたけど、編集したものに坂本さんの既成曲を仮あてしたものを送らせていただいて、お手紙を添えて依頼しました。見ていただいて「とてもおもしろかったので引き受けますが、映画全体の音楽を作る体力は残っていないので、1、2曲作ってみるので気に入ったら使ってください」というお返事がきました。結果的に2曲作っていただきました

 


<感想>
 ラストで使われた坂本龍一の『Aqua』。
 監督の「何かこの歌は祝福している歌だ」の発言からは、少年2人の明るい未来が見えてくる。

 

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