元証券マンが「あれっ」と思ったこと

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あれっ、岸田首相の経済対策は不十分?

 

【 岸田首相の不十分な経済対策 】

 


 2023/11/6、高橋洋一さんが、現代ビジネスに、『岸田首相の「減税を含む経済政策」はまったく不十分だ…データで検証してみると』を掲載された。
https://gendai.media/articles/-/118796?page=4

 以下は、一部抜粋。

 


余裕財源を活用する

 

内閣府は、潜在GDPの一定の伸びをカウントせずに、さらに計算方法の見直しで水準そのものを引き下げ、需要不足が解消されたかのような需要ギャップの数字を作ったといえる。

 

実際の経済はコロナの影響がある程度収束した今、上向きなのは事実だが、需要不足はまだあるので、デフレの完全脱却とは言えない。

 

GDPギャップが15兆円として、補正予算で補填される「真水」がどうなるか。ここは、Xでポストしたように補正予算が出ていないので詳細がわからない。

 

ただし、今回の対策の閣議決定本文には、そのヒントがある。「追加歳出の財源の一部として、新型コロナウイルス感染症及び原油価格・物価高騰対策予備費並びにウクライナ情勢経済緊急対応予備費を合計2.5兆円減額して活用する」という記述がある。となると、真水はせいぜい10兆円程度だろう。

要するに、今回の経済対策では、GDPギャップの解消が出来ず、つまり賃金が物価上昇を上回り好循環になる、絶好の経済ポイントであるNAIRU(インフレを加速しない最低失業率)を実現できない。こうした点は、本コラムで繰り返してきたマクロ経済運営の基本中の基本である。

 

そもそも、経済対策のために準備できる財源として、今年度を含む3年度で税収上振れは15兆円程度、外為特会の含み益は30兆円程度、その他を合わせて50兆円程度の余裕財源がある。もちろん、この50兆円を単年度に行うのは悪性インフレになるので、好ましくないが、二の矢、三の矢として準備することはできる。

 

いずれにしても、今回の経済対策は、「遅く、ショボい」なので、先週の本コラムの結論はそのままだ。

 

政策論から言えば、デフレ完全脱却を狙うなら、GDPギャップ15兆円を超え、20兆円くらいの真水の対策を用意すべきで、それでもNAIRUを達成できなければ、二の矢、三の矢でそれぞれ15兆円程度を打ち込むというのが正解だろう。

 


<感想>
高橋さんの言うように、真水で20兆円の対策と二の矢、三の矢で各15兆円、合計50兆円規模の経済対策を期待したい。

 

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