元証券マンが「あれっ」と思ったこと

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あれっ、小津安二郎のオマージュ?

 

小津安二郎監督のオマージュ:『PERFECT DAYS』】

 


 昨日(2024/3/20)、ヴィム・ヴェンダース監督、役所広司主演の『PERFECT DAYS』を観た。

 

 以下は、NHKのWebサイト『「PERFECT DAYS」ヴェンダース監督語る “私と小津安二郎”』
からの一部抜粋。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240308/k10014383151000.html

 


「私の偉大な映画界の師、小津安二郎の祖国である日本の代表としてアカデミー賞に参加できることを大変光栄に思います。『PERFECT DAYS』は彼の魂に導かれた作品です。この作品がノミネートされたことは、私にとってこの上ない喜びです」
アカデミー賞ノミネート時のコメントより)

 

実は、ヴェンダース監督が日本を舞台に映画を撮るのは、これが初めてではありません。かつて、小津安二郎監督の代表作「東京物語」で描かれた東京を追い求めて、1983年に来日して撮影したドキュメンタリー映画、「東京画」という作品を発表しています。

 

ヴェンダース監督はこの作品の中で、「小津の作品は20世紀の人間の真実を伝える」と語るなど、小津監督への敬愛の念や自身への影響を度々公言してきました。

 


主人公「平山」に込めた思い
東京物語」に登場する家族の父親の名前は「平山周吉」。離れて暮らす子どもたちに疎まれ、妻にも先立たれ、それでもみずからの人生を静かに受け入れる初老の男性を、俳優の笠智衆さんが演じています。その「東京物語」の公開から70年。ヴェンダース監督は「PERFECT DAYS」で役所広司さんが演じる主人公のトイレの清掃員に、同じ「平山」と名付けました。


「主人公の名前が平山なのは、『東京物語』を意識しています。いろいろな意味で小津映画への敬意を込めています。平山はシンプルなものを愛し、自然や、ちょっとした出来事にこだわりを持っています。小津作品の登場人物には、他の誰かよりも優れている人などいません。すべての人を、尊厳と敬意のまなざしをもって尊重しています」

 


ご参考1)映画『PERFECT DAYS』ヴィム・ヴェンダース監督インタビュー──「孤独」の強さと美しさを描く
https://www.gqjapan.jp/article/20231220-perfect-days-wim-wenders-interview

 

まさにポスト・パンデミックの物語であり、新たな始まりへの想いを込めた映画です。そして新しい生活のお手本になるのがこの映画の主人公だと思う。多少理想化された人物ではありますが、平山の世界の見方は素敵なものです。消費文化に追われることなく、大きな木の根元にある小さな芽や木漏れ日のような、他の人々が見逃してしまう些細なものに目を留めることができる。本を一気に何十冊も買うのではなく、今必要な1冊だけを買い、読み終わったら次の1冊を買う。自分が今必要としているものだけで満足できるのです。

 


ご参考2)役所広司、“演技”を語る 映画『PERFECT DAYS』インタビュー「100年経っても古くならない映画に出たい」
https://www.oricon.co.jp/news/2308942/full/

 

小津安二郎監督の映画を例に出し、「何が面白いんだろうと思っていた」と明かすも、「自分が年取ってきたり、家族ができたりなんかそういうことによってなんか全然やっぱり深みがある映画だってことに初めてこう気がつくし、もっと年取るともっと面白くなるかもしれない。

 


ご参考3)映画にならなかった平山の353日
https://www.perfectdays-movie.jp/

 


<感想>
小津安二郎のオマージュと言える、ヴィム・ヴェンダース監督の『PERFECT DAYS』。還暦を迎えた今だからこそ、平山の生活が心に沁み入った。

 

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