元証券マンが「あれっ」と思ったこと

元証券マンが「あれっ」と思ったことをたまに書きます。

あれっ、関西スーパーマーケットを巡る2社の戦い?

 

関西スーパーマーケット:オーケー vs H2Oリテイリング 】

 


 2021/9/3、オーケー株式会社が「株式会社関西スーパーマーケットによるエイチ・ツー・オー リテイリンググループとの経営統合等に関するプレスリリースについて」を発表した。
https://ok-corporation.jp/media/001/202109/20210903_%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%83%AA%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B9.pdf

 以下は冒頭部分の抜粋。

 


オーケーが本書でお伝えしたいこと

 

関西スーパー様とH2Oグループ様との経営統合等に関して、弊社の名前も含む憶測記事が出ていることから、弊社自身で経緯や考えをご説明したく、また、関西スーパー様の株主の皆様に対し、臨時株主総会のご判断に資する情報提供ができる意義があると考え、本書を公表しました。

 

関西スーパー様に対して、2021年6月に、関西スーパー様の上場来最高値(1992年2月10日)と同値である一株当たり 2,250円で上限なしの公開買付けを実施する提案を行っておりましたが、弊社提案内容に関する関西スーパー様との実質的な協議の場は設けられませんでした。そのような中、株式交換を手段とする関西スーパー様と H2O グループ様との経営統合等と、現金対価の弊社提案とを、関西スーパー様の株主利益の最大化の観点から公正に比較検討頂けたのか、懸念しております。

 

関西スーパー様が設置した特別委員会の答申及び関西スーパー様が公表したH2Oグループ様との経営統合等に関するプレスリリースは、少数株主保護の観点から十分な説明がなされていないと考えております。

 

弊社提案の方が関西スーパー様の企業価値向上及び少数株主の利益により資するものと考えますので、今後開催される関西スーパー様の臨時株主総会では反対の票を投じる予定です。また、仮にH2Oグループ様との取引が撤回される場合、関西スーパー様の取締役会が弊社提案に真にご賛同頂けることなどを前提として、一株当たり2,250円で公開買付けを行う意向があります。

 


一方、2021/8/31、株式会社関西スーパーマーケットが「当社とエイチ・ツー・オー リテイリング グループの経営統合(資本業務提携)、株式交換によるイズミヤ株式会社及び株式会社阪急オアシスの完全子会社化、親会社の異動、吸収分割による持株会社体制への移行、商号変更その他の定款の一部変更並びに代表取締役の異動に関するお知らせ」を発表した。
http://www.kansaisuper.co.jp/upimages/irinfo/irnews_629.pdf

 以下は、一部抜粋。

 


当社及び H2O リテイリングは、2016年10月27日、両社の事業・ノウハウ等の強みを活かしつつ、ポイントシステム、商品の共同仕入れ及び店舗運営等の分野における業務提携を推進することにより、収益性の向上及び関西地域における競争力の強化を進め、両社の更なる企業価値の向上を実現するため、資本業務提携契約を締結しました。

 


そのような状況下、当社は、2021年6月上旬、H2Oリテイリングとは別の第三者(以下「本提案者」といいます。)から、当社株式に対する公開買付け(以下「第三者公開買付け」といいます。)を行い、当社を子会社化することを前提とした資本業務提携の提案(以下「第三者提案」といいます。)を受領するに至りました。


当社は、第三者提案に係る取引(以下「第三者取引」といいます。)の是非を検討するに際しては、H2Oリテイリングとの資本業務提携のあり方と併せて検討を行う必要があると判断し、本提案者、H2Oリテイリング及び当社から独立した立場で、第三者取引に係る検討及び判断を行うため、2021年7月3日、当社の独立社外取締役である岡田由佳氏、森薫生氏、福井公子氏及び牟禮恵美子氏並びに社外有識者である渡辺徹氏(北浜法律事務所 弁護士)の5名によって構成される特別委員会を設置し、特別委員会に第三者提案に関する諮問を行いました。

 

一方で、当社は、H2Oリテイリングとの間でも両社間の資本業務提携のあり方について協議を続け、その結果、2021年7月12日頃より、同資本業務提携をさらに進化・発展させ、本経営統合を行うことについての検討を本格化し、具体的な条件等に関する協議を開始しました。そこで、当社は、2021年7月17日、特別委員会に対して本経営統合についても諮問を行い、第三者提案と本経営統合について、特別委員会において独立かつ客観的な立場から慎重に検討をすることといたしました。

 


<2021年の時系列>
6月上旬  オーケー(OK)が関西スーパーマーケット(KSM)宛て子会社化を目的としたTOBを提案

 

7月3日 KSMが特別委員会を設置し、上記提案を諮問

 

7月12日  H2Oリテイリングとの間で経営統合の具体的な条件等に関する協議を開始

 

7月17日  上記経営統合についても諮問を行い、上記提案と経営統合について、検討を開始

 

7月下旬~8月  イズミヤ阪急オアシスについて、デュー・ディリジェンスを実施

 

8月31日  KSMがH2Oリテイリングとの経営統合を発表

 

9月3日 OKが上記発表に関してプレスリリース

 

10月29日 臨時株主総会開催日

 


(ご参考)関西スーパー争奪戦、株主惑わす「価値」判断 オーケー、TOBの対抗提案発表
https://www.nikkei.com/nkd/industry/article/?DisplayType=1&n_m_code=101&ng=DGXZQOUC02BFQ0S1A900C2000000

 


<感想>
 上記は、関西スーパーマーケットがオーケーからのTOBの提案を受けて、H2Oリテーリング宛てに働きかけて、後者との経営統合を選んだように見える。
 10月29日に開催予定の臨時株主総会で、上記に反対票を投じるオーケーにどれほど賛同する株主がいるのか、注目したい。

 

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