元証券マンが「あれっ」と思ったこと

元証券マンが「あれっ」と思ったことをたまに書きます。

あれっ、預金保険機構等はTOBに応募できず?

 

SBIホールディングス新生銀行TOB

 


 2021/9/9、SBIホールディングスが、「株式会社新生銀行株式(証券コード:8303)に対する公開買付けの開始に関するお知らせ」を発表した。(その2)
https://www.sbigroup.co.jp/news/2021/0909_12635.html

 


1.新生銀行プレスリリース
「SBI ホールディングス株式会社および SBI 地銀ホールディングスによる 当行株式の公開買付けに関するお知らせ」
https://www.shinseibank.com/corporate/news/pdf/pdf2021/210909_announcement_j.pdf

 SBIHDより事前の連絡を受けておらず、本公開買付けは当行取締役会の賛同を得て実施されたものではありません。
 なお、本開示資料は、本公開買付けに関する当行の意見を表明するものではありません。本公開買付けに関する当行の意見は、決定次第改めてお知らせいたします。

 


2.整理回収機構大量保有報告書(報告義務発生日:平成24年12月19日)
http://www.kabupro.jp/edp/20130110/S000CLP2.pdf
       取得資金  保有株券数 
整理回収機構 1,200億円  2億株   
預金保険機構   0円  269,128,888株
(2017/10/1:10株⇒1株に株式併合)
その後の推移は不明ながら、上記をベースに考えれば、簿価は約2,558円/株か?
1,200億円÷46,912千株(「整理回収機構預金保険機構」の上記保有株式数)=2,557.98円/株

 

<保有目的>
整理回収機構:金融機関の資本の増強を図るため、「金融機能の早期健全化のための緊急措置に関する法律」に基づき金融機関等の発行する優先株式を引受けて、普通株に転換したもの。

預金保険機構(当機構):整理回収機構長銀の発行する優先株式を引受け。その後、特別公的管理の開始決定及び株式取得の決定公告に伴い、上記優先株式を含む同行の発行株式を当機構が取得(対価0円)同行の特別公的管理の終了に際し、当機構が取得した同行発行株式のうち、普通株式はニュー・LTCBパートナーズ・CVに譲渡され、優先株式については、一部減資のうえ、当機構が継続して保有。今般、取得請求権の行使により普通株式の交付を受けたもの。

 


3.時事ニュース「SBIの新生銀買収を注視 公的資金回収へ収益増に期待―金融庁
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021091001054&g=eco

 国は新生銀の前身、日本長期信用銀行が1998年に経営破綻した前後に公的資金を注入し、現在でも株式の約2割を保有する。この株式の売却によって回収する上で損失を避けるため、新生銀に政府保有株の価値を約3500億円に引き上げるよう求めてきた。
 その株価水準が1株7500円程度。SBIが新生銀に対するTOB(株式公開買い付け)を発表する直前の株価約1450円や、買い付け価格2000円とは大きな開きがある。

 


<感想>
 本件は、SBIHDによる新生銀行へのTOB新生銀行の取締役会の動向次第では、敵対的TOBとなる。
 TOB価格が2,000円のため、公的機構は簿価を下回るため、売却することは難しい。
 今後の展開に注目したい。

 

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