元証券マンが「あれっ」と思ったこと

元証券マンが「あれっ」と思ったことをたまに書きます。

あれっ、略式起訴も前科一犯?

 

【 略式起訴:起訴の種類の一つ 】

 


 略式起訴について、以下のWebsiteから考えてみたい。(その1)

 

「略式起訴・略式裁判で知っておくべきこと|不起訴との違い」
https://izumi-keiji.jp/column/jiken-bengo/hukiso-ryakushiki

 


そもそも起訴・不起訴とは?

 

1.起訴と不起訴
ある被疑事件について必要な捜査が終わると、検察官は、その事件について被疑者を起訴にするか不起訴にするかを判断しなければならない。
起訴とは、検察官が裁判所に対して被疑者を裁判にかけて処罰してほしいと要求すること。
これに対して不起訴(不起訴処分)とは、その事件について起訴せず終結させると判断すること。

 

 

2.不起訴の理由
不起訴の理由には様々なものがある。
例えば、公訴時効が完成していたり、親告罪の告訴が得られなかったりといった起訴の前提となる条件(訴訟条件)が欠ける場合は起訴できない。
検察庁では不起訴の理由を20種類に区分(事件処理区分)。

その中でも中心をなすのが、次の3つ。
1)嫌疑なし……人違いや犯罪の証拠が全くないことが判明した場合
2)嫌疑不十分……証拠が不十分な場合
3)起訴猶予……犯罪の嫌疑があり起訴すれば有罪が見込めるが、示談の成立等の諸事情を考慮して起訴を見送る場合(刑訴法248条)
不起訴処分となれば、裁判で有罪判決を受けないので前科はつかない(もっとも、捜査対象となった事実は前歴として捜査機関の記録に残る)。

 


3.起訴の種類
検察官が裁判所に対して求める刑事裁判には、1)正式裁判、2)略式手続、3)即決裁判手続という3つの手続が用意されている。

これに対応して、検察官の起訴にも、1)公判請求、2)略式命令請求、3)即決裁判請求という3種類がある。

 


(1)正式裁判を求める公判請求
正式裁判とは、公開の法廷で厳格な手続に従った裁判が行われるもの。

テレビドラマや映画でおなじみの刑事裁判シーン。
検察官が被疑者を正式裁判にかけるよう裁判所に求めることを「公判請求」と呼ぶ。これが原則的な裁判の方式。

一般的に単に「起訴」という場合は、公判請求のことを指す。

 


(2)略式手続を求める略式命令請求
略式手続とは、検察官の請求を受けた簡易裁判所が、公判を開かず、書面審理だけで「略式命令」と呼ばれる命令を発して100万円以下の罰金または科料の刑罰を被告人に課す裁判手続。
検察官が簡易裁判所に対し、略式命令を求めることが「略式命令請求」。

この「略式命令請求」は、検察官が被疑者を簡易裁判所に起訴すると同時に、略式命令にしてほしいと請求するもので、法律の概念上は起訴とは別の行為だが、俗称として、これを区別せずに「略式起訴」とも呼ばれている。

正式裁判は、被告人にとっては公開法廷に出廷する肉体的・精神的な負担が大きく、検察庁、裁判所にとっても、人的・物的・時間的に多大なコストがかかる手続。

そこで、罰金または科料が相当な事案で、被告人自身が簡略な手続での裁判に異議がなければ、あえて公判を開くことなく事件を処理した方が望ましいと言え、略式手続は、このような実際上の要請に応じた制度。

 


(3)即決裁判手続を求める即決裁判請求
即決裁判手続とは、明白かつ軽微な事案について、被疑者の同意を条件として、早期に開廷される公判期日において、簡略・効率化した証拠調べ手続を行い、即日に、罰金刑または執行猶予付き自由刑(懲役刑・禁錮刑)を言い渡す裁判手続(350条の16)。

この手続も、事件処理の効率化を図ることで、正式裁判の厳格な手続による被告人・検察庁・裁判所の負担を軽減するための制度。

 


<感想>
 全ての刑事裁判が、原則的な裁判の方式である「公判請求」で実施することは、人的・物的・時間的な制約から難しいことは理解できる。

 

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