元証券マンが「あれっ」と思ったこと

元証券マンが「あれっ」と思ったことをたまに書きます。

あれっ、特攻の趣旨は陛下による戦争終結?


大西瀧治郎中将:特攻の真意 】

 


 先日、「修羅の翼 零戦特攻隊員の真情」(角田和男著、光人社刊)を読んだ。

 以下は、一部抜粋。(その2)

 


生還を許さず

「特攻に出たものが少しくらいのエンジン不良でなぜ帰って来るか、エンジンの止まるまでなぜ飛ばないか」と、臆病者、卑怯者呼ばわりされたと聞いた。

 


大西長官の特攻の真意を問う

 

大西長官が特攻を始めた真意について語られたダバオの夜の小田原参謀長の話には、私は深い感銘を覚えた。長官、参謀長の決心は心に沁みて、それまで抱いていた特攻作戦への疑問は消え、確かに現況では他に道のないことは明瞭に知ることができた。しかし、必ずしも長官の計画通りに進むとは考えられなかった。長官自身、特攻作戦に九分九厘成功の見込みはないと言われているのだ。では、一分でも見込みがあったのだろうか。私の一番尊敬した飯田房太大尉は、開戦の日、「この戦争は、万に一つの勝ち目もない」と言ってハワイに自爆されている。

 

 小田原大佐の言葉によれば、長官自身も下からの報告は全部聞き、上への報告は必要なことのみをされていたから、日本の国力は自分が一番良く知っている、ということであったが、艦隊長官と天皇陛下の間は遠い。間に連合艦隊、軍令部、軍事参議官、元帥府などなどがある。果たして長官の赤心がそのまま陛下まで届くであろうか。

 

「敵を欺くにはまず味方よりせよ」とも言われている。大西長官は陛下が御自らの決断をもって戦争を止めろと仰せられるまでは、最後の一兵まで特攻を続けさせる決心だと思われた。

 

 その後の戦争の推移は、聞いた通りの進み方をしていた。ただ一つ、陛下はなかなか戦争を止めろとは仰せられなかったことを除けば・・・・・・。

 

 明日にも講話をしたい、と思いながら鬼となって最後の一兵までと抗戦を主張し続けた大西長官、「大臣や総長の進言ではならぬ。これは陛下御自ら決せられるべきことである」と言った長官。その通り最後の御前会議には賛否同数となり、鈴木首相は陛下に決裁を仰がれたという。偶然か、それとも、そこまで長官の政治力は及んでいたのか。

 

「人の死なんとする時、その言や良し」と言う。

 

フィリッピンで戦争を止めさせられたなら、その結果が仮にいかなる形の講話になろうとも、五百年、千年の後に日本民族は必ず復興するであろう」と予言された大西中将、しかし、あまりにもその時期は遅く、犠牲は大きかった。

 

 私は戦後、この大西長官の特攻の真意が、なぜかまったく伝えられていないことに疑問を感じた。私が確かに聞いた小田原参謀長の話は幻であったのだろうか。・・・

 


<感想>
大西中将の想定通りに、陛下がもっと早く戦争終結を決断されていたら(特攻の犠牲者も少なくて済んだ)と思うと残念でならない。

 

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