元証券マンが「あれっ」と思ったこと

元証券マンが「あれっ」と思ったことをたまに書きます。

あれっ、ルネサスが買収合意書解除直前に追加貸付?


ルネサス:シーカンスの買収合意書を解除 】

 


 2024/2/23に、ルネサスが「シーカンスの買収に関する基本合意書の解除および公開買付けの終了を発表」をリリースした。
https://www.renesas.com/jp/ja/about/press-room/renesas-announces-termination-memorandum-understanding-and-tender-offer-proposed-acquisition-sequans

 

 以下は一部抜粋。

 


『本基本合意書に規定された組織再編を実施した場合に、日本の租税特別措置法第66条の6に基づき、課税所得の計上および納税が必要となる旨の東京国税局の回答(日本税務に関する不利益裁定)をルネサスが受けた場合、ルネサスまたはシーカンスのいずれも本基本合意書を解除できると、本基本合意書で定めています。2024年2月15日に、ルネサスは東京国税局から、日本税務に関する不利益裁定を受領しました。その結果、ルネサスは、本基本合意書に基づく解除権を行使し、本基本合意書を解除しました。これにより、本公開買付けも終了しました。』

 


 一方、2027/2/20、ルネサスが「ルネサスによるシーカンス買収に関し、公開買付け期間を延長」をリリースしていた。
https://www.renesas.com/jp/ja/node/25473536

 以下は、一部抜粋。

 


『2024年2月15日に、ルネサスとシーカンス間で締結された基本合意書に規定された組織再編を実施した場合、日本の租税特別措置法第66条の6に基づき、課税所得の計上および納税が必要となる旨の東京国税局の回答を受領し、その旨をシーカンスに通知しました。

 

ルネサスとしては、本件回答は、ルネサスとシーカンス間の基本合意書において規定していた日本税務に関する不利益裁定に相当すると捉えています。従って、本公開買付けに関する基本合意書において、当該組織再編が課税対象とならない旨の確認を税務当局から受けることについて、買収完了の前提条件の一つとしていましたが、これが充足されないこととなります。そこで、ルネサスとシーカンスは、当該状況を踏まえ、今後の対応について協議中です。

 

また、2024年2月12日に、ルネサスの完全子会社が、シーカンスの無担保劣後債と引き換えに、シーカンスに900万米ドルを追加で貸し付けました。シーカンスは、これにより調達した資金を、事業資金の一部に充てる予定です。』

 


< シーカンスの株価推移:株価急落 >
https://finance.yahoo.co.jp/quote/SQNS?term=1w

 


<感想>
M&Aの合意書を解除する直前に、「ルネサスの完全子会社が、シーカンスの無担保劣後債と引き換えに、シーカンスに900万米ドルを追加で貸し付け」たことについて、ルネサスの取締役会等でどのような意思決定がなされたのか、そのプロセスが気になる。

 

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