元証券マンが「あれっ」と思ったこと

元証券マンが「あれっ」と思ったことをたまに書きます。

あれっ、日本の株高は不思議でない?

 

【 株価3万円:不思議ではないワケ 】

 


 2021/2/21、高橋洋一さんが現代ビジネスに『文系マスコミが叩く「株価3万円」がまったく不思議なことではないワケ』を掲載された。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/80485?page=3

 以下は一部抜粋。

 


まったく驚く株高ではない

 

株価が将来収益の現在価値の総和になるということは、将来収益/金利が大きな要素になる。これを定性的にいえば、将来収益予想が高まったり、金利が低くなると、株価が上がるわけだ。

 

まず、日銀が低金利を継続しているというのはその通りだが、金利イールドカーブコントロールなので、ここ1年くらいあまり変動していない。今の株高は昨年10月あたりから始まっているので、金利引き下げによるものではない。

 

株価をきちんと式で理解していれば、金利が変わらないので、金利要因は排除できるはずだが、文系マスコミの悲しいところで、式が理解できないから、ロジカルな議論ができない。

 

それでは、日銀が株式を購入しているという話はどうだろうか。根拠となるのは、昨年3月にETF購入枠を6兆円から12兆円へと拡大したことだ。しかし、3月と10月の間はどうだったのか、説明できない。

 

しかも、購入枠は6兆円増である。株式市場全体の時価総額は700兆円もあるが、その1%にも満たない額なので、それが大きな影響を与えているとも思えない。定量的な議論が苦手な文系マスコミは大げさに話しがちだ。

 


「経済と乖離」は本当ではない

 

OECD諸国で比較可能な国をすべて選ぶと、この間、日本の財政支出の高さと行動制限の緩さは世界でトップクラスだった。ここで、財政支出IMFデータ、行動制限指数はオックスフォード大学が公表している厳格度指数のデータを用いている。引用先は、資料を参考にしてほしい。

 

実は、財政支出の多寡と行動制限の強弱で、経済落ち込みがほとんど説明できる。つまり、財政支出が大きいほど、行動制限が緩いほど、経済落ち込みが少ないのだ。

 

日本は、先進国中で、経済落ち込みがトップクラスで少なかった国だ。これから、株価に悪いはずないだろう。今年の後半の経済を見通すと、世界中で新型コロナワクチンが徐々に行き渡り、行動制限は緩くなる。

 

となると、スタートダッシュで、財政支出の多さで有利になった日本とその他の先進国も同じように、経済拡大のメリットが出てくる。

ということを、昨年10月前に読んでいた投資家が、半年から1年先の将来を「買って」、その読みが当たって、今の株高になっているのだろう。

 


<感想>
 高橋さんの言う通り、将来収益/金利財政支出の高さと行動制限の緩さで日本の株高は説明できそうだ。

 

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